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[新型コロナウイルス] 苦戦する世界株…高騰するビットコイン

픽사베이

‐ビットコイン9100万ドル台に、仮想通貨全体時価総額も2590億ドル突破
‐中国上海指数8%急落…NASDAQ、日経指数も下落続く
‐リスク回避の手段としてビットコインに注目

新型コロナウイルスが世界主要国の株式市場を一斉に押し下げた中、仮想通貨市場の好調が続いている事が目を引く。春節連休が終わり、11日振りに再開された中国の株式市場が8%以上急落して衝撃を与えた一方、仮想通貨市場の全体時価総額は同期間に12%急騰し、今年初めて2590億ドルを突破した。

■仮想通貨市場「高止まり」

仮想通貨市況分析サイトCoinMarketCapによると4日、ビットコインを含む仮想通貨全体の時価総額は2590億ドル(約28兆円)となった。中国の株式市場の休場前日となる1月23日には2390億ドル(約24兆円)に過ぎなかった仮想通貨全体の時価総額は、春節期間の間も順調に上げ続け年初来高値を更新している。

年初の仮想通貨全体の時価総額が1900億ドル(約20兆2700億円)だった事を考えると、1月の1ヶ月間で約700億ドル(約7兆億円)近くの資金が仮想通貨市場に流入した事になる。

これとは逆に3日の上海総合指数は、直前の取引日となる1月23日の終値から8.73%急落した2716.70で取引を開始した。

年初からずっと3000ラインを維持していた上海総合指数は、1月23日の新型コロナウイルス肺炎発生により今年初めて2900台に下落していた。

米国や日本など主要国の株式市場も苦戦を強いられている。米国NASDAQ指数は年初に9000ラインでスタートし、その後も安定して上昇していたものの、1月23日の9400ラインをピークとして再び下降線を描いている。日本の日経225指数は1月30日に今年初めて心理的な抵抗線である2万3000円を下回った。韓国KOSPI指数も同様に、1月23日より4%低い水準で取引されている。

■今回も「ビットコイン=安全資産」?

一方で仮想通貨市場は新型肺炎によるパニック売りの反対利益を享受している。CoinMarketCapによると、1月23日には8300ドル台にあったビットコインは、今月4日には9300ドル台で取引されている。特に中国の春節期間だった先週1週間でビットコインの価格は順調な上昇を見せた。

年初、米国とイランの間に地政学的な緊張が高まった状況でも、仮想通貨市場はサプライズ的な好況を享受した。米国とイランに緊張が高まる直前、8000ドル台に留まっていたビットコインの価格は、世界的な緊張の高まりの中、僅か1週間の間に9000ドルを突破した。その直後にビットコインSVが150%近く暴騰する事もあった。

業界では伝統的な資本市場が力を失っている事で、資金が仮想通貨市場に流入したのだとみている。新型コロナウイルスから始まる景気沈滞とリスク回避のため、機関投資家などの大規模な資本が仮想通貨に流入したという見方もある。

ブロックチェーン・スタートアップ専門の投資会社Hashedのキム・ソジュン代表は「単に中国のみならず、米国など全世界的な生産性悪化により、2009年以降で最大の景気沈滞が始まった」と、「今年ビットコインが全世界的にヘッジ手段として脚光を浴びる事で、安全資産としての地位を築くと思われる」と話している。

翻訳:水野卓
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