韓国の元大統領 文在寅 が回顧録で、在任中の対日外交をめぐる認識を詳細に明らかにした。とりわけ 安倍晋三 政権との関係について、対立や不信感が繰り返し強調されている。
回顧録では、2018年の平昌五輪を契機とした南北対話局面で、日本側が韓米合同軍事演習の継続や対北制裁の厳格維持を強く主張した点を指摘。「内政干渉に近い」との認識を示し、首脳会談も実質的な成果を伴わなかったと総括した。
また、日本の最重要課題である拉致問題については、文在寅政権が 金正恩 に対し繰り返し伝達してきた経緯を説明。一方で、金正恩側からは「なぜ日本は直接対話しないのか」との疑問が示されたとし、間接外交の限界にも言及した。
北朝鮮非核化交渉をめぐっても、日本側が短距離ミサイルや生化学兵器の対象化、事前申告の必要性などを主張し、交渉の進展を妨げたと批判。米政権内では ジョン・ボルトン が同様の立場を取ったとし、日本の主張を代弁していたとの見方を示した。
2017年前後の緊張局面では、在韓日本人の退避訓練や韓米日合同演習の提案など、日本の対応が不安を助長したと評価。「友好国でありながら配慮に欠ける」との不満を記している。
徴用工問題では、2018年の韓国大法院判決を受け、司法判断尊重と1965年請求権協定維持を両立させる「ツートラック」原則を提示したと説明。強制執行を回避するため、日韓企業による共同基金案を提示したが、日本政府が最終的に拒否したと主張した。
2019年の輸出規制については、日本側の報復措置と位置づけたうえで、韓国の素材・部品産業の国産化や調達多角化が進み「結果的に韓国の競争力強化につながった」と評価。日本企業の打撃や対韓依存の変化にも言及し、「韓国の完勝」と結論づけた。
さらに ジョー・バイデン 政権発足後、米国が日韓関係の改善に関与し、共同基金への参加案を提示したが、日本がこれも拒否したと記述。日本の姿勢が韓米日安保協力に影響を与えたとの認識を示した。
回顧録全体を通じ、日本が朝鮮半島の平和プロセスに消極的、あるいは妨害的だったとの見方が繰り返されており、当時の政権間の深い溝を浮き彫りにしている。一方で、これらの記述は韓国側の視点に基づくものであり、日韓双方の認識の隔たりの大きさを改めて示す内容となっている。

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