「全て戦場に行ったのか?」寂しいロシアの戦勝記念日、戦車は僅か1台

ウクライナでの戦闘により、ロシア軍の人的・物的被害が深刻化する中、現地時間9日にモスクワ中心部にある赤の広場で行なわれた戦勝記念日の式典規模が、昨年よりかなり縮小され、注目を集めている。この日の軍事パレードでロシアのウラジーミル・プーチン大統領の前を通った戦車は僅か1台で、動員された軍用機は1機も無かったことが分かった。

ロシアは毎年、戦勝記念日の軍事パレードで最新式戦車を登場させることで有名。しかし英国スカイニュースなどの海外メディアによると、今年の軍事パレードに登場した戦車は80年前の第二次大戦でも使用されたT-341台のみだった。更に軍用機は1機も登場しなかった。

プーチン政権は戦勝記念日の式典を愛国心を向上させ、国家の結束を強化するイベントとして利用して来た。特に軍事パレードでは最新型ミサイルや戦車などを登場させ、ロシアの軍事力を見せつけていたが、今年は様相が違っていた。

ロシア西部とクリミア半島などでは、戦勝記念日の軍事パレード自体が行なわれなかった。これは爆発やドローン攻撃が相次いでいる危険な状況を踏まえた上での措置だとみられる。ロシア国民が戦死した兵士らの遺影を掲げて行進する「不滅の連隊」の行進も、今年は行なわれなかった。

一方でプーチン大統領はこの日、10分間の演説で「我々の祖国を相手にした真の戦争が行なわれた」と発言した。ロシアはこれまでウクライナでの戦闘を「特別軍事作戦」と呼んで来たが、プーチン大統領はこの日、両国間の戦闘を「実際の戦争」だと初めて言及した。

プーチン大統領は続けて「ロシアの敵は我々の崩壊を望んでいる」と、「彼らが我が国を破壊しようとしている」と話した。

また「我々は国際テロリズムを打ち破り、(ウクライナ東部の占領地)ドンパスの住民を守り、我々の安全保障を守る」と強く語った。

更には「文明が決定的な転換点に立たされている。地球上の大多数の人々の様に、我々も平和と自由、安定の未来を望んでいる」と、「あらゆる優越的思想も許すことはない」と非難した。

翻訳:水野卓
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