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三菱UFJ銀行、元行員による貸金庫窃盗問題が拡大

三菱UFJ銀行の元行員である40代女性が、東京都内の支店に設置された貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んでいた事件で、盗まれた貴金属が都内の買い取り店で売却されていたことが明らかになった。警視庁はこの行為について窃盗容疑で捜査を進めている。

元行員の手口と被害の拡大

捜査関係者によると、元行員は2020年4月から2024年10月にかけて、練馬と玉川の2支店で貸金庫業務を担当していた。この間、顧客の金品を盗み出し、それを複数の買い取り店で売却。得た現金を投資に流用していたと見られる。当初、同行は被害者数を約60人、被害総額を時価十数億円程度と発表していたが、その後さらに数十件の被害申告が寄せられており、被害規模は拡大する可能性がある。

元行員は支店の営業課長として貸金庫業務をほぼ一人で担当しており、顧客が鍵を紛失した場合に備えて支店で管理していた予備鍵を悪用していたとされる。この問題は2024年10月31日に発覚し、元行員は11月に懲戒解雇処分となった。

銀行の対応と再発防止策

三菱UFJ銀行は全国約300拠点で貸金庫事業を展開しており、約13万件の契約がある。主に株券や貴金属などの保管に利用されているが、今回の事案を受け、同行は再発防止策として予備鍵の管理を強化。2025年1月までに各拠点ではなく本部で一括管理する体制へ移行し、複数の人員によるチェック体制を導入する方針を示した。

一方、金融庁は同行に対し銀行法に基づく報告徴求命令を発出。同行の半沢淳一頭取は「信頼・信用を揺るがす深刻な事案」として謝罪し、被害者への弁済を進めると表明した。

信用回復に向けた課題

今回の問題は、銀行ビジネスの根幹である信頼性に大きな打撃を与えた。再発防止策の徹底だけでなく、顧客の信頼をいかに回復するかが、同行の今後の課題となる。

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