株式会社JJ(代表取締役:陳 有那)は、韓国の先端AI企業・JL Standard社と提携し、日本のエンディング産業市場への本格参入を発表した。両社の協業は、9月10日に東京ビッグサイトで開催された「第11回エンディング産業展(ENDEX)」で初披露され、会場では大きな反響を呼んだ。
特に注目を集めたのは、デヴィ夫人が自身の終活の一環として実施したAIによる「生前葬」。ステージ上に登場した「AIデヴィ夫人」は、声や表情、話し方を忠実に再現し、来場者と自然な対話を実現した。その様子は日本の複数のメディアでも報じられ、イベント終了後もその衝撃と期待は業界関係者の間で語り続けられている。
AIが故人を“もう一度”つなぐ
今回のイベントを支えたのが、JL Standard社の基幹サービス「SOUL LINK(ソウルリンク)」だ。
SOUL LINKは、故人の写真や音声、文章といったデータをAIが解析し、その人らしさを備えた「デジタルツイン」を生成する追悼プラットフォームである。
利用者は、故人の口調を再現したチャットを通じて対話できるほか、AIが復元した声による通話体験も可能となる。さらに、写真をもとに再現された表情を用いたビデオレターや、故人の文体を反映したメッセージを受け取ることもできる。これらは単なるデータの再生ではなく、あたかも本人がそこにいるかのような臨場感を生み出す点に特徴がある。
技術的には、まずAIが写真や音声から個人の特徴を抽出し、顔の表情や声質を復元。さらに過去の会話や文章データを学習させることで、その人特有の語彙や言い回しを再現する。こうして「見る・聞く・語る」の三要素を統合することで、より自然で“その人らしい”体験を実現している。
JL Standard社はSOUL LINKにとどまらず、人生や家族の記憶を継承する多彩なサービスを展開している。「PET LINK」では愛するペットをAIで再現し、映像や音声メッセージとして思い出を残すことができる。「MEMORY LINK」では個人の人生をAIが記録し、デジタル自叙伝として次世代に伝える仕組みを提供する。
これらのサービスは「人やペットとの絆を未来に繋ぐ」という理念のもと、追悼文化の枠を超え、人生を記録・共有する新しいスタイルを提案している。
倫理的課題と今後の展望
一方で、こうしたサービスにはデータ提供の同意や文化的感受性といった課題も伴う。故人のデータを扱う以上、遺族や権利者の理解が不可欠であり、国や宗教観によって受け止め方も異なる。JL Standard社は「心に寄り添う温かい技術」を掲げ、利用規約や合意プロセスの整備を進めている。
株式会社JJは、これらの革新的な技術を日本市場に導入することで、高齢化社会における終活の新しい形を提示していく方針だ。JJ社は「ENDEXでの披露をきっかけに、『AIが人の記憶や思い出をどう未来へつなげていけるか』というテーマが、終活業界において改めて注目されている」とコメントしている。














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