新NISA(少額投資非課税制度)のスタートから1年が経過し、投資家の関心が一部の投資信託に集中していることが明らかになった。2023年1月から11月までに証券大手およびネット証券10社を通じて購入された投信や株式の総額は約11.8兆円。そのうち、人気上位5銘柄だけで約4兆円、全体の約33%を占めたことが分かった。
朝日新聞が調査したところ、これら上位の投信は、いずれも海外株式市場や米国の株価指数に連動した運用を目指す商品が中心だった。特に人気を集めたのは、三菱UFJアセットマネジメントが提供する「eMAXIS Slim」シリーズの「全世界株式」と「米国株式(S&P500)」。この2銘柄だけで買い付け額は合計3.3兆円を超えた。
トップ10にランクインした投信を見ても、主に海外市場を対象とした商品が多く、全体で約4.6兆円、総額の38%を占めた。この傾向は、日本国内市場よりも成長力の高い海外市場への期待が背景にあると考えられる。
資産運用の専門家は、「投資信託を通じて成長市場にアクセスできる新NISAの仕組みが投資家の興味を引き、結果として人気が一部の銘柄に集中する現象が起きている」と指摘している。
新NISAは多くの投資家にとって資産形成の一環として利用されており、その運用成果や市場の動向が今後さらに注目を集めそうだ。













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