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「パクパク万博」現象 展示よりも“食”に熱狂する来場者たち

2025年大阪・関西万博が開幕して以来、各国パビリオンの展示と並んで大きな注目を集めているのが「食」だ。来場者はSNSで「#万博グルメ」「#パクパク万博」といったハッシュタグを付け、各国料理を写真付きで共有。中にはレストラン入店までに8時間待つケースもあり、日本人の食への情熱が国内外で話題となっている。

会場では、朝の開門直後から人気レストランに行列が発生する。特にサウジアラビア館のレストランは入店が極めて難しく、8月上旬には開門9分後に受付が締め切られたという。待機列に入れなかった来場者からは落胆の声が漏れ、幸運にも並べた人々は達成感をにじませた。

SNS上には「並んだ甲斐があった」「一生の思い出」といった歓喜の投稿が並び、待ち時間の長さよりも「食べること自体が目的化」している様子もうかがえる。テイクアウトの軽食も人気が高く、早々に売り切れる商品もある。

海外パビリオン側もこの反応に驚きと喜びを隠さない。スイス館の広報担当者は「カフェにこれほど多くの人が並ぶとは予想していなかった」と語り、ルクセンブルク館は名物ソーセージをきっかけに国そのものへの関心が高まることを期待している。

一方で、万博の本来のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。あるパビリオンスタッフは「展示をもっと見てほしい」と苦笑するが、食を通じた関心の高まりが各国の文化理解につながるのであれば、結果的に万博の目的に沿うとの見方もある。

展示と食のどちらに比重が置かれても、大阪・関西万博が来場者に強烈な体験を与えていることは間違いない。今回の「パクパク万博」現象は、食を通じて世界とつながる日本人の特性を改めて浮き彫りにしている。

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