映画『パラサイト』、中国映画祭で突然上映中止に…当局の検閲か

映画『パラサイト』、中国映画祭で突然上映中止に…当局の検閲か
中国の映画祭で上映される予定だった、カンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)を受賞した映画『パラサイト』(原題・寄生虫)が、突然上映中止となった。
中国地元英字紙のグローバル・タイムズ紙によると、『パラサイト』は28日、中国西北部・靑海省の省都、西寧市で開催された“西寧ファースト青年映画祭”の閉幕式として上映される予定だったが、「技術的な理由」で中止となった。
主催側は上映中止の理由に技術的な問題だと説明したが、実際には貧富の格差を描いている映画の内容が当局の検閲で問題になった可能性が高いとみられている。
グローバルタイムズも「技術的な理由」は、中国の当局が最もよく使う表現だと伝えた。同紙によると、中国の戦争映画『800(八佰)』も先月、第22回上海国際映画祭で開幕作として上映する予定だったが、「技術的な理由」で中止になった。
この映画が中止になった理由は、1930年代の抗日戦争当時、国民党の軍人たちの活躍を描いていたためだと伝えられている。
中国では、映画やドラマなどのコンテンツに対する統制がますます厳しくなっている。
一方、『パラサイト』は中国の映画レビューサイトで9.2点(10点満点基準)を獲得するなど好評を博した。20日には中国本土ではなく、香港で公開された。
翻訳:尹怡景