韓国、「社会的距離を置く」を強化…法的措置も強く警告

韓国の丁世均首相(チョン・セギュン国務総理)は新型コロナウイルス感染症対策として、15日間に「社会的距離を置く事」の強化措置が施行された初日となる22日、「防疫指針を守らない施設があった場合には集会や集合を禁止する命令を下し、従わない場合は処罰するなど断固たる法的措置が取られなければならない」と話した。
丁首相はこの日、ソウルの韓国政府庁舎でコロナ19(新型コロナウイルス)中央災難安全対策本部会議を主催した席で「政府の防疫を妨害し、共同体に危害を及ぼす行為に対し、これ以上寛容ではいられない」と、この様に語った。
丁首相は前日、「社会的距離を置く事の強化」のための国民に向けての談話を通じ、宗教施設や室内体育施設、遊興施設に対し、15日間の運営中止を強く勧告している。
やむを得ず運営する場合は施設・業種別の遵守事項を徹底して守らなければならず、遵守事項が守られていない場合は直接行政命令を下して集会や集合を禁止、行政命令に従わない場合には施設閉鎖や求償権請求などの法が定める範囲で可能なあらゆる措置を積極的に取ると警告した。
丁首相は会議で「中央政府が感染症予防法により行政命令を下す初めての事例となり、新型コロナウイルスとの戦いで勝機を掴むという強い覚悟が込められている」と強調した。
また「地方自治体は該当する施設に対する点検を強化して欲しい。地域の状況により必要であれば塾、ネットカフェの様な密集施設も追加管理する様にお願いする」と、「関係部署は所管の施設や団体が行政命令を遵守出来る様、督励し支援する様に」と要請した。
韓国政府は同日の定例ブリーフィングで、防疫守則を守らずに営業した施設で新型コロナウイルスの感染者が出た場合、利用者にも求償権を請求する案を検討すると発表した。また宗教施設や室内体育施設、遊興施設などに対し15日間の運営自粛を勧告した中で、地域によっては業種を追加指定出来る様にする方針だ。
中央災難安全対策本部の朴凌厚(パク・ヌンフ)一次長(保健福祉部長官)は「自治体別で新型コロナウイルス感染症の発生状況により運営自粛を勧告する施設、業種が追加される事もある」と話した。
現在、制限的許容施設・業種別遵守事項を見ると、宗教的施設以外にも武道場・武道スクール・スポーツクラブ・各種スポーツ施設などの室内体育施設や、クラブ・ダンスホール・風営法対象の飲食店などがこれに該当する。
やむを得ず運営する場合は施設・業種別に、症状のある従事者が直ちに退勤する事や、施設外部で列に並ぶ際や施設内での利用者の間隔を1〜2mに維持する事、消毒及び換気、マスク着用などの防疫守則を遵守しなければならない。
自治体による現場点検で違反施設が摘発された場合、自治体の長が戒告状を発布して該当施設にこれを貼り出す。更に感染症予防法により集会・集合禁止の行政命令が下される。
行政命令に従わない場合は同法により300万ウォン(約26万4000円)以下の罰金が科され、感染者発生に伴う入院・治療費などの防疫費に対する損害賠償(求償権)が請求されることもある。韓国政府は戒告状が貼り出された施設を利用した利用者にも求償権を請求する可能性があるとの立場だ。
翻訳:水野卓
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