中国経済がV字回復へ…第3四半期成長率4.9%

中国経済が新型コロナショックを乗り越えV字回復へ向かっている。不振を抜け出せなかった消費が元に戻りつつあり、産業生産など各種経済指標も継続して上昇している事が主な理由だとみられる。
中国国家統計局は19日、中国の第3四半期の国内総生産(GDP)が前年同期比で4.9%増加したと発表した。これにより中国経済は第1四半期の-6.8%から第2四半期に3.2%とプラス転換した後、更に回復している事が明らかになった。しかし市場の予測値5.2%からは0.3%下回った。中国人民銀行は今年2%の経済成長を見込んでいる。
中国国家統計局は「社会の発展、生産秩序の回復、受給関係の改善、市場活力の増加、雇用の良化など国民経済全般が安定傾向を維持している」との評価。
中国経済回復の足を引っ張っていた9月の小売販売は1年前に比べ3.3%の増加となり、市場の予測値1.8%を大きく上回った。小売販売は新型コロナショックにより、年初より7ヶ月間マイナス圏を抜け出せないでいたが、先月ようやく0.5%増加しプラス転換していた。小売販売は百貨店やスーパーマーケット、電子商取引などの売上高を合計したもので、消費活動の活発さを表す尺度となる。
しかし1月〜9月の小売販売は前年同期比-7.2%を記録し、依然としてマイナス圏に留まっている。先月からは再び本来の軌道に戻りつつあるが、1月の-20.5%、2月の-15.8%など、新型コロナウイルスにより激しく萎縮した年初の消費を回復するには至らなかったとみられる。
製造業や鉱業などの業種の動向を表す同月の産業生産は前年比6.9%の増加となった。これは今年の最高水準で、市場予測値の5.8%を上回った。中国の産業生産は政府の経済再稼働政策に後押しされ、7月に4.8%、8月には5.6%と徐々に回復スピードを高めている。自動車製造業(16.4%)、電気機械及び資機材製造業(15.9%)、金属製品業(12.6%)、汎用設備製造業(12.5%)など増加傾向が明らかになった。1月〜9月の産業生産は前年比で1.2%増加している。
インフラ施設、不動産、機械設備の投資動向を表す1月〜9月の固定資産投資は0.8%の増加でプラス圏に戻った。1月〜8月の増加率は-0.3%だった。1月〜9月の不動産投資は前年同期比で5.6%増加している。
雇用指標は安定した水準を保っている。9月の都市失業率は5.4%で前月の5.6%より0.2%改善した。ただし中国の都市失業率は農村出身の都市労働者である農民工の失業率を正確に反映していないという点を考慮すれば、実際の失業率は更に高くなるとみられる。
中国国家統計局は「国内での伝染病発生など、経済は依然として回復局面」だと、「次の段階は内需拡大戦略の強化、更なる改革・開放、企業の不安解消、円滑な経済循環、民生福祉基盤の強化など、年内の経済社会発展目標任務完遂に向け最大限努力する」と話している。
翻訳:水野卓
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