「アベンジャーズ」がバイデン氏を支持…トランプ氏は「大逆転」に自信

写真はバイデン候補のツイッタから
米国大統領選挙が2週後に迫った状況で、民主党のジョー・バイデン候補が徐々に勢いを増している。既に大きな差がついている全国世論調査はもちろん、確保可能な選挙人団の数がドナルド・トランプ大統領の2倍に達するとの分析結果も今回報じられた。また大ヒット映画「アベンジャーズ」に出演した有名ハリウッド俳優らも揃ってバイデン氏の選挙集会に参加し、バイデン支持を呼び掛ける予定だ。
■選挙人団で2倍近くの差…アベンジャーズ総出動
ウォール・ストリート・ジャーナルは現地時間19日、バイデン候補が確保する可能性が高いか確実視される選挙人団の合計が226人で、トランプ大統領(125人)の2倍近くになると報じた。
州ごとの選挙人団の数で勝敗を決める米国大統領選挙では、全538人中270人を確保する事が当選の条件。今回の分析通りであれば、計算上はバイデン候補にとって非常に有利なデータとなる。
またバイデン候補が当選ライン270人の選挙人団を確保できる方法の総数は104になるとの分析も出た。トランプ大統領の64より1.5倍も多い確率だ。
同紙はクック・ ポリティカル・レポート、インサイド・ エレクションズ、ラリー・サバトのクリスタル・ボール(バージニア大学政治センター)など、3つの超党派的政治分析機関が算出した支持率を合算しこの様に報じた。
ハリウッドスターらも政治性向を公にし、バイデン候補に最後の力を与えている。
議会専門メディアのザ・ヒルなどによると、ヒーロー映画「アベンジャーズ」の俳優らが20日、バイデン氏の選挙集会に参加する。今回の集会にはクリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ役)、スカーレット・ヨハンソン(ブラック・ウィドウ役)、ドン・チードル(ウォーマシン役)などの参加が予定されている。
マーク・ラファロ(ハルク役)、ポール・ラッド(アントマン役)、ゾーイ・サルダナ(ガモーラ役)なども集会に姿を見せる予定だ。これ以前にポップスターのテイラー・スウィフトも今月7日、「バイデン候補に誇りを持って票を投じる」と、「声を上げて応援する」と話している。
彼らの公の支持表明は、有権者の最後の判断に少なからず影響を与えるとみられる。
■トランプ氏の大反撃、まだ始まりに過ぎない?
トランプ大統領の「大反撃」はまだ始まったばかりだとする分析もみられる。終盤の逆転が可能となるシナリオも複数みられる。実際にトランプ大統領は今月初、新型コロナウイルス感染判明後にバイデン候補との支持率の差が広がったものの、それ以降は遊説など本格的な選挙戦に打って出て、両者の差は縮まっている。
19日に発表された世論調査の結果、トランプ大統領は重要激戦州のうちのひとつペンシルバニア州で僅か1週間の間に支持率を大きく引き上げた。選挙人団20人を確保しているペンシルバニア州では先週、バイデン候補が7%の優勢(51%vs44%)だったものが、今回はその差が4%と大幅に縮まった。
フロリダ州(選挙人団29人)でも両者の差は先週の4%から2%となっている。つまり実際の選挙でトランプ大統領が6大激戦州(ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルバニア州、ノースキャロライナ州、フロリダ州、アリゾナ州)で予想外の善戦を繰り広げる可能性もあるという事だ。
トランプ大統領はこの日、バイデン親子が米連邦捜査局(FBI)の調査を受けなければならないとの主張を持ち出した。トランプ大統領は19日、アリゾナ州での遊説で関連質問に対し「FBIが彼ら(バイデン親子)を調査すべきだ」と、「今まで公になった事だけでも彼(バイデン氏)は有罪」だと答えた。
バイデン候補はバラック・オバマ政権での副大統領在職時代、バイデン候補の次男ハンター氏が父親の地位を利用してウクライナから巨額の不当利益を得ていたという疑惑が提起された状態。ニューヨーク・ポストは14日、ハンター氏所有とみられるノートパソコンから、同氏が2015年にウクライナのエネルギー企業ブリスマ側の関係者と父親との面会を取り持った状況を記したイーメールが発見されたと報じている。
バイデン候補側はこれを全て否定しているが、トランプ大統領側ではこの事をバイデン候補に対する攻撃手段として積極的に活用している。
トランプ大統領は大統領選挙の勝利はもちろん、議会両院でも多数を確保すると自信を覗かせている。トランプ大統領は19日、「我々は今日ほど強い位置にあった事はない」と、自身が敗れるとするニュース報道は無視しろと話した。
翻訳:水野卓
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