仮想通貨ビットコイン(BTC)が留まる事無く上昇を続けている。現地時間16日以降は1日に1000ドルずつ価格が上昇している。
16日に1万6000ドル、17日に1万7000ドル、18日には1万8000ドルを突破した。しかし急激な価格上昇による急落が不可避だとする警告もみられる。
フィナンシャル・タイムズは18日、リピティニフを引用し、同日ビットコインの価格が1万8492ドルまで上昇し、過去30日間で価格が50%以上急騰していると報じた。
これは2017年12月に記録した史上最高値1万9458ドルに迫る価格。16日以降続いている1日1000ドルの上昇が続けば、今週中に史上最高値の更新も可能だ。
2017年はビットコインの価格が史上最高値をつけた後、直ぐに急落に転じた事で、僅か1ヶ月で半値まで下がっている。
LMAX取引所の通貨アナリスト、ジョエル・クルーガー氏はビットコインが今回も史上最高値の記録を更新するとみている。しかし同氏は史上最高値が更新されれば、ビットコインの価格は直ぐに急落に転じるとの見方。トレーダーらもビットコインが短期間で極端かつ急激に上昇した事で変動性が非常に高まった事を憂慮している。
クルーガー氏は「現在の水準での買いは慎重でなければならない」と、「市場はこの間、非常に遠く、非常に早く到来した」と指摘している。また「市場は史上最高値を再び更新しようとしているが、その事が現実のものとなれば…市場は大規模な調整を求める様になるだろう」と大幅下落の可能性を警告している。
ビットコインは今年3月、新型コロナウイルスのパンデミックにより市場が冷え切り崩壊していた当時、他の金融資産同様に価格が暴落していた。
しかしそれ以降、金融市場が上昇する勢いを取り戻した事でビットコインも急騰し、直近の最低価格から380%の急騰となっている。今回の急騰は2017年の主導勢力だった小口投資家ではなく、機関投資家が中心だという点が違う。トレーダーらは、最近の上昇はヘッジファンドの様なプロ投資家らが押し寄せた事によるものだとみている。
プロ投資家らは高い収益率の可能性を期待し、ビットコインに飛び付いている。ビットコイン専門のヘッジファンドの収益率は株式市場の収益率を大きく上回る。市場調査会社ユーレカヘッジによると、ビットコイン専門のヘッジファンドは今年89%に迫る収益率を記録している。主流のヘッジファンドの今年の収益率がかろうじて3%を上回っている事とは比較にすらならない。
急激な価格上昇の中、バブルへの憂慮もみられるが、一部では2017年と違い、今回は急激な価格崩壊は無いだろうとの楽観論もみられる。ビットコインの立ち位置が変化した事が主たる背景だ。
最近のビットコインの急騰はオンライン決済企業ペイパルが火をつけたとの見方が大勢を占める。ペイパルは先月21日、ビットコインを支払決済手段のひとつとして採択し、加入者らがビットコインを取引し、保有出来る様にすると発表した。ペイパルの政策転換はビットコインが徐々に主流の領域に入りつつある事を予告するシグナルだとの見方もある。
2017年以降、ビットコインが派生商品、先物市場で商品として登録され、主要機関投資家らにリスクを分散するツールとして活用されている点もポジティブな要素。仮想通貨取引企業アルファプレートのジャン・ストロームCEOは、主流の投資家らがビットコインに対し「非常に高い関心を見せており、彼らの関心が弱まる気配も無い」と指摘。
また「伝統的な投資家らが徐々に仮想通貨を成熟した市場として見る様になり、伝統的な資産に加え、仮想通貨に新たなチャンスを見出そうとしている」と話した。
パリの資産運用企業エクソアルファのパートナー、イリー・ル・レスト氏も今回のビットコインラリーは2017年に比べ持続可能だと、「機関投資家らがビットコインを買い入れている」と話している。
翻訳:水野卓
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