西側諸国のロシア産原油制裁で北海ブレント油130ドル突破

米国やヨーロッパ諸国がロシア産原油の輸入禁止を検討しているとの情報に、国際原油価格が1バレルあたり130ドルを突破した。
専門家らは、西側諸国がロシア産原油に制裁を加えた場合、原油価格は1バレルあたり150ドルまで上昇する可能性もあると警告している。
現地時間6日、北海ブレント油の先物価格は時間外取引で一時、1バレルあたり139.13ドルまで上昇し、米WTIの先物価格も一時、1バレルあたり130.50ドルまで上昇した。
国際原油価格は今月3日、2014年以来の1バレルあたり100ドルを突破し、北海ブレント油は今月4日に1バレルあたり128.99ドルまで上昇していた。
原油価格の上昇は米国の株価も引き下げ、時間外取引でダウ平均株価指数の先物価格は330ポイント(0.9%)、S&P500とナスダック100の先物指数もそれぞれ1.3%、1.7%の下落となった。
ノルウェーのエネルギー情報企業ライスタッド・エナジーのヤラン・ライスタッドCEOは、ウクライナ戦争の拡大は1日にウクライナと北海を通過する原油100万バレルの輸送に支障をきたすだけでなく、長期的には更に大規模になるかもしれないと、1バレルあたり130ドルへの上昇を警告していた。
これについてヨーロッパを歴訪中のアントニー・ブリンケン米国務長官は、この日の米国メディアとのインタビューで、アメリカ政府がウクライナに侵攻中のロシアに対し、より大きな打撃を与えるため、中心産業であるエネルギー輸出を封じることをヨーロッパの同盟国と論議していると話した。
海外メディアは、ロシア産原油の輸入を中断した場合、原油市場の不確実性は更に高まると分析している。
石油アナリストらは西側諸国のロシア産原油制裁は、原油価格を1バレルあたり150ドルまで引き上げる可能性があると警告している。
国際原油市場は先週末、サウジアラビアが原油価格を引き上げ、リビアも国内政治問題により産油量が減少している状況。サウジアラビアは4月のアジア引渡分の1バレルあたり4.95ドルを含め、世界全地域に対する輸出価格を引き上げた。
リビアのエネルギー大臣は日々の産油量が100万バレル以下となる92万バレル水準まで下がっていることを明らかにした。
一方、米経済専門チャンネルCNBCは、ヨーロッパでロシア産原油の荷役拒否が増えていると報じた。
英国の港湾労働者らはロシアによるウクライナ侵攻に対する抗議としてロシア産原油の荷役を拒否している。
CNBCは、英国政府の制裁によりロシア船舶の英国入港が禁止されているが、外国船舶を通じてロシア産エネルギーと製品は引き続き輸入できるとの点が表面化すると、港湾労働者らが直接行動に動いたと伝えた。
またいまだロシア船舶の入港が許されているオランダでもロシア産原油の荷役が拒否されていると、英スカイニュースが報じている。
翻訳:水野卓
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