Nexivil、「橋梁3Dデジタル転換ソリューション」を発表

(写真:Nexivilが披露した「橋梁3Dデジタル転換ソリューション」)

今年で7年目を迎える建設スタートアップ企業Nexivilは創業以来、設計自動化に向けた様々な研究と試みを重ねて来た結果、今年、「橋梁3Dデジタル転換ソリューション」を発表した。橋梁3Dデジタル転換ソリューションは「パラメトリック・デザイン」の技法を利用し、橋梁の媒介変数を通じて全体構造物の形状に必要となる全ての座標系を自動計算する方法が組み込まれている。

「パラメトリック・デザイン(Parametric design)」は、スペインの建築家アントニオ・ガウディ(1852〜1926)が数学と物理学を元にしたアルゴリズムによりデザイン形状を導き出したことに始まる。韓国ソウルにある“DDP“の設計も、3D曲面を僅か数個のパラメーターで調整することにより数多くのパネルを自動計算するなど、パラメトリック・デザインが活用されている。

同様に橋梁の設計もパラメトリック・デザインにより各構造物の要素の位置と形状を決定することが可能で、特に精密な計算により、コンクリート構造物内の鉄筋の位置を定めることも可能となっている。既存の2D図面を利用した各部材の位置を計算する方法に比べると、アルゴリズムにより3D情報を生成することで精密度が増し、作業誤差を減らせるなどの利点がある。

Nexivilは、パラメトリック・デザインで生成された3Dデジタル情報により、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデル)を即座に生成することが可能。また3D座標を2Dの平面に反映する方法により、既存の手作業で作成していた図面を自動生成するサービスも提供される。更に工場での製作に必要となる3D情報を提供することにより、顧客はひとつのソリューションでBIM、図面、数量算出、工場製作データの全てを把握することができる。

韓国の建設エンジニアリング産業は現在、新規人材の獲得が難しく、徐々に高齢化しているのが現実。Nexivilのイム・ジョンヒョン代表は「青年層がエンジニアリング産業に入って来るためには、業務が自動化され、高度化されていなければならない。そのためには正確性と生産性を同時に高める“パラメトリック・デザイン“が解決策になるだろう」と話す。実務でコーディングとエンジニアリング業務を同時に行える人材は少ないため、Nexivilの様なソリューション提供企業の役割も今後拡大していくとみられる。

翻訳:水野卓
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