歴史小説の名手として知られる作家・童門冬二(どうもん・ふゆじ、本名・太田久行=おおた・ひさゆき)さんが、2024年1月13日にがんのため96歳で亡くなっていたことが分かった。家族の意向により死去から1年後に公表された。葬儀は家族葬で執り行われた。
童門冬二さんは東京都生まれ。東京都庁職員として広報室長や政策室長を歴任し、革新都政を担った美濃部亮吉知事を支えた経験を持つ。公務員として組織運営を学びながら執筆活動を開始し、1960年に「暗い川が手を叩(たた)く」が芥川賞候補に挙がった。その後、1979年に美濃部知事の退任とともに退職し、専業作家としての道を歩み始めた。
1983年に発表された代表作「小説 上杉鷹山(ようざん)」は、米沢藩の財政改革を成し遂げた藩主・上杉鷹山の経営手腕を描き、家臣や領民との信頼関係をテーマに据えた作品として高く評価された。また、組織運営の葛藤を歴史に重ねる手法が特徴で、「坂本龍馬の人間学」「小説 西郷隆盛」「へいしゅうせんせえ」など多くの作品を世に送り出した。
さらに、歴史に学ぶリーダーシップや街づくりをテーマにした講演活動も幅広く行い、多くのリーダーに影響を与えた。1999年には勲三等瑞宝章を受章し、2011年から2012年にかけては毎日新聞で「童門冬二の言葉のビタミン!」を連載したことでも知られる。
童門冬二さんの作品は、歴史を通じて現代の組織運営や人間学を問い直す視点を提供し、多くの読者の心に響いた。日本文学史に残る功績とその足跡は、今後も語り継がれていくことだろう。

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