サウジ不明記者事件の出口探すトランプ大統領…「殺人者集団の仕業だ」

サウジ不明記者事件の出口探すトランプ大統領…「殺人者集団の仕業だ」
ドナルド・トランプ米国大統領がサウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏失踪に関する出口戦略を模索している。トルコも同様に、これまでの強硬な姿勢から一歩引いた模様だ。
しかし、トルコ・イスタンブールにあるサウジアラビア総領事館で、反政府ジャーナリストのカショギ氏が殺害されたと疑われる事件は、サウジアラビアに対する国際社会の不信感を招き、サウジアラビアの打撃は避けられなくなっている。
■「殺人者集団の仕業だ」
15日、英紙フィナンシャル・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルなどの主要メディアによると、トランプ大統領はカショギ氏の事件に対する立場の転換を試みている。
トランプ大統領はこの日、サウジアラビアのサルマン国王との電話会談をし、サルマン国王がカショギ氏失踪に関して、サウジアラビア政府には何の責任も無い事を確実にしたと、サウジアラビア側を庇う発言をした。また「カショギ氏の失踪は殺人者集団(rougue killers)が犯した事だろう」と語った。出口戦略のシナリオを提示しているという疑いの念を抱かせるには十分な発言だ。
トランプ大統領は、ポンペオ国務長官をサウジアラビアに派遣し、真相を「徹底究明するように(get to the bottom)」指示した。しかし、カショギ氏失踪への関与を否認するサウジアラビア王政に、免罪符を与えるための措置だとみられる。
米国が出口戦略を模索する中、最初に疑惑を提起したトルコも、強硬な立場から一歩引いた模様だ。
トルコの官営メディア、アナドル通信社はこの日、サウジアラビアとトルコの合同調査団が組織され、今回の事件を調査する事になると報じた。
トルコのエルドアン大統領は、カショギ氏がサウジアラビア総領事館内で殺害されたとみていると、強い不満感を表していたものの、サウジアラビアとの相次ぐ接触を通じ、事件を沈静化する方向で折り合いをつけたとみられる。
トルコのチャヴシュオール外務大臣は、「確実な証拠を見るまでは、どんな断定もする事は出来ない」と、サウジアラビア側がカショギ氏を殺害したと宣言するには早いという点を確認した。
しかし調査は、事件を葬り去るための形式的な手続きに留まる可能性が高まっている。
報道によると、総領事館前で待ち構えていた撮影スタッフのカメラに、バケツと雑巾でいっぱいの手押し車を押して領事館に入って行く清掃員らの写真が撮られた後、トルコの調査官らが到着した。犯行の痕跡を消した後に、トルコの調査官らが到着したとの疑いが持たれる状況だ。
翻訳:水野卓