日本政府は18日召集の特別国会に、経済安全保障推進法の改正案を提出する。柱となるのは、経済安全保障上重要と判断される日本企業の海外事業に対し、国が損失リスクを引き受けた上で出資する「特定海外事業」制度の創設だ。企業の海外展開を後押しし、重要物資の安定確保と供給網の強化を図る。
制度の実務は政府系金融機関の 国際協力銀行 が担う。関連法を改正し、これまで認められていなかった「劣後出資」を可能にする。事業が成功した場合は民間企業に優先的に利益を配分し、損失が生じた場合は国が先に負担する仕組みとすることで、企業の投資リスクを軽減する。
対象事業として想定されているのは、ASEANをはじめとする新興・途上国での港湾整備や通信インフラ、データセンター建設など。海上輸送の要衝となる港湾整備を通じ、エネルギーや重要物資の安定供給体制を強化する狙いがある。中国による経済的威圧への対抗策という側面も持つ。
また、国が支援対象とする「特定重要物資」に、物資そのものだけでなく民間企業の役務も追加する。国際通信の大半を担う海底ケーブルの敷設・保守やロケット打ち上げサービスなどが新たに支援対象となる見通しだ。
基幹インフラの範囲も拡大する。電力、ガスなどに加え、医療分野を追加する方針で、医療機関が導入する重要設備について国の事前審査を義務付けるほか、サイバー攻撃を受けた場合の報告も義務化する。近年相次ぐ医療機関へのサイバー攻撃を受けた措置だ。
一方、安保上重要な民間データの流出を防ぐ「データセキュリティー」強化策については、データ利活用推進との両立が課題として残り、今回の改正案には盛り込まれなかった。
政府は今回の改正を、高市首相が掲げる危機管理投資の一環と位置付けている。今夏に取りまとめる成長戦略と一体で、経済安保体制の強化を進める方針だ。













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