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新大久保、コリアタウンから多国籍アジア拠点へ 2025年実態調査で構造転換が鮮明

新宿区新大久保地域が、従来のコリアンタウンという枠組みを超え、多国籍アジア型商圏へと進化している実態が、2025年に実施された調査で明らかになった。一般社団法人新宿韓国商人連合会がまとめた「2025年新大久保実態調査報告」は、現地全数調査と人口流動データを統合し、街の構造変化を定量的に示している。

調査は2025年9月から12月にかけ、新大久保全域15区域を対象に実施された。対象店舗数は計1,042店舗に上り、商圏規模は引き続き拡大傾向にある。国籍別では韓国系店舗が697店舗と最大シェアを維持し、2022年比で10%増加した。一方、日本系店舗は賃料上昇や後継者不足の影響を受け、229店舗と約20%減少した。ベトナム、ネパール、中国などのその他アジア系店舗は145店舗に増え、商圏の多国籍化が進んでいる。

業種構成を見ると、韓国料理やポチャを中心とする飲食店が333店舗と依然として中核を占める。加えて、カフェ・デザート業態が75店舗まで急増し、若年層や観光客の滞在時間を延ばす役割を果たしている。美容・エステ・医療分野も64店舗と一定の存在感を示し、物販中心から体験型消費への転換が進んでいることがうかがえる。

人流データからは、来街者構造の変化も浮かび上がった。JR新大久保駅の1日平均乗降客数は、コロナ禍で一時6万人台まで落ち込んだが、2024年には約9万8千人まで回復し、第3次韓流ブーム期に迫る水準となった。観光目的比率を示す駅観光率では、原宿に次ぐ都内2位となり、単なる商店街を超えた観光デスティネーションとしての地位を確立している。

来訪者層はかつての若年女性中心から、カップル、家族連れ、シニア層へと拡大した。週末集中型だった人流も平日に分散しつつあり、特に月曜・火曜の戦略的重要性が高まっている。平均滞在時間は4〜5時間と長く、街全体の回遊性の高さが特徴とされる。

報告書は今後の課題として、オーバーツーリズムへの対応、安全・混雑管理の強化、産官学連携による持続可能な運営体制の構築を挙げた。新大久保は「特別な観光地」から「日常的に訪れる多文化空間」へと移行しており、その変化は一過性ではなく構造的なものだとしている。

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