衆院選で自民党が大勝し、政権基盤を固めた高市早苗首相のもとで国会運営の構図が大きく変わりつつある。少数与党だった局面から一転、衆院で安定多数を確保した与党は、予算委員長など主要ポストの奪還に動き、主導権回復を鮮明にしている。
自民党の鈴木俊一幹事長と日本維新の会の中司宏幹事長は16日、東京都内で会談し、2026年度予算案について年度内成立を目指す方針を確認した。与党側は審議時間の圧縮も視野に入れる。
例年、予算審議は衆参両院で計2カ月前後を要する。今回は1月の衆院解散により審議入りが遅れ、年度内成立は難しいとの見方が広がっていた。だが首相は自民幹部に対し、成立を諦めない考えを伝えている。
背景には、衆院での議席増がある。常任・特別委員長や審査会長ポストを与党が多数確保できる見通しで、前回衆院選後に野党へ渡った予算委員長や憲法審査会長の奪還を図る構えだ。
当初、与党は全ポストの独占を求めたが、野党第1党の中道改革連合が反発。自民側は懲罰委員長と消費者問題特別委員長を野党に譲る案を提示したものの、中道側は過去の政権下での配分実績を挙げ、さらなる譲歩を求めている。
焦点となるのは衆院予算委員会での審議時間だ。第2次安倍政権以降、80時間前後が通例となり、少数与党だった昨年は92時間に達した。これに対し、政権幹部は2007年度予算審議が66時間30分だった例を示し、短縮は可能だと主張する。与党内からは、野党の質問の多くが政権批判に費やされているとの声も上がる。
野党側の対応は一様ではない。中道改革連合のベテラン議員は、過去最大規模となる予算案に見合う審議時間が必要だと強調。一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は15日のテレビ番組で、国民生活を最優先に判断する考えを示し、与党側の姿勢に一定の理解をにじませた。
首相は民主党政権時代の2010年に寄稿したコラムで、多数を背景に強行的な国会運営が行われたと批判している。議席増をてこに審議短縮へ踏み込めば、過去の主張との整合性が問われる可能性もある。国会運営のかじ取りが、今後の政権運営の安定度を左右する局面に入った。











Leave a Reply