韓国最高裁、元徴用工裁判で三菱重工にも賠償命令

韓国最高裁、元徴用工裁判で三菱重工にも賠償命令
日本の植民時代に日本企業に強制徴用されたとして韓国の元徴用工や元女子勤労挺身(ていしん)隊員らが三菱重工を相手取って損害賠償を求めた裁判で、韓国最高裁は三菱重工に賠償責任があるとして同社に賠償を命じる判決を下した。
最高裁は29日、故パク・チャンファン氏などの強制徴用被害者と遺族23人が三菱重工を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、各8000万ウォンを賠償するよう宣告した原審を確定した。最高裁は、「原告らの損害賠償請求権は"日本政府の朝鮮半島に対する違法的な植民地支配と侵略戦争の遂行と直結された日本企業の非人道的な不法行為を前提にしている、被害者らの日本企業への慰謝料請求権”であり、請求権協定の対象に含まれない」と判示した。
故パク氏らは1944年に強制徴用され、同社の広島機械製作所や広島造船所で労働を強いられ被爆したが、同期間中に賃金など受けなかったとして、2000年5月に強制徴用による損害賠償金と強制労働の期間中支給されなかった賃金を合わせて1億100万ウォン賠償を求める訴訟を起こした。
1審と2審では「日本との国交が正常化された1965年から起算しても、訴訟請求がそれから10年経過しており、損害賠償請求権が時効成立で消滅している」とし、原告敗訴判決した。しかし、2012年に最高裁は、「請求権が時効成立で消滅したという被告らの主張は、信義誠実の原則に反しており、認められない」と、2審裁判を再度行うよう判決した。
差し戻し審では損害賠償請求権が消滅していないと判断し、三菱重工側が1人当たり8000万ウォンずつの慰謝料を支払うよう判決した。今回の判決は最終判決で、最高裁は差し戻し審の判決を確定した。
元徴用工らは1999年3月に日本政府と三菱重工を相手に、日本裁判所でも損害賠償請求訴訟を起こしたが、日本最高裁は2008年11月、原告敗訴を確定した。