「ナッツリターン」の原告チーフパーサー、大韓航空に一部勝訴…「ナッツ姫」に対する訴訟は棄却

写真:大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョナ、左)前副社長。右は韓進グループ会長の趙亮鎬(チョ・ヤンホ)
「ナッツリターン事件」の原告チーフパーサー、大韓航空に一部勝訴…「ナッツ姫」に対する訴訟は棄却
大韓航空のチーフパーサーだったパク・チャンジン氏が、2014年のいわゆる「ナッツリターン事件」で人事上の不利益を受けたとして、大韓航空と同社の趙顕娥(チョ・ヒョナ)前副社長を相手に起こした民事訴訟で一部勝訴した。
ソウル西部地裁の民事合意12部(イ・ウォンシン部長判事)は19日、パク氏が大韓航空と同社の趙前副社長を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、「大韓航空は、パク・チャンジン氏に対し、2000万ウォン(約200万円)を賠償せよ」と、原告一部勝訴の判決を下した。
しかし、趙前副社長に対する損害賠償請求と、大韓航空に対する降格処分の無効確認請求は、全て棄却された。
裁判所は、「趙前副社長に対する慰謝料請求3000万ウォン(約300万円)を認定するものの、供託金があるため、原告請求は棄却する」と明かしている。
ナッツリターン事件は2014年12月5日、離陸準備中だった大韓航空機内に於いて、趙前副社長がナッツの提供方法が気に入らないと、これを騒動化し、飛行機を搭乗口に引き返させた上に、当時チーフパーサーだったパク氏を飛行機から降ろした事件。
この事件はパワハラだと社会問題になり、趙前副社長は拘束起訴され、一審で懲役1年の実刑判決を受けた後、控訴審で懲役刑が執行猶予となり釈放された。
パク氏は、この事件による業務上災害が認められて休職した後、2016年5月に復職したものの、この過程で不当に一般乗務員に降格されたと主張し、訴訟を起こしていた。事件当時、大韓航空から虚偽の陳述を強要されたと、同社を相手にした損害賠償請求訴訟も起こしていた。
裁判で大韓航空は、パク氏に人事上の不利益は与えていないとし「パク氏が復職後にクルーチーフの職を与えられなかった事は、ナッツリターン事件前の2014年3月に行われた、韓・英アナウンス能力評価での評価が低かったためだ」と主張していた。
翻訳:水野卓