韓国、「探偵」を就職難の突破口に…公認探偵制度導入を検討中

韓国、「公認探偵制度」の投入を検討…就職難の突破口に活用

慢性的な就職難が経済の大きな障害となる中、韓国政府が雇用創出の突破口として「公認探偵制度」を活用しようとする。

公認探偵制度が活性化すれば、最大で1万5千人の新規雇用が生まれるとの予測もある。特に昨年韓国政府が「新業種活性化」の一環として、探偵業を取り上げた事で、業界では長年の悲願だった公認探偵制度の法制化に対する期待が高まっている。

■新業種「探偵」、雇用効果に注目
12日、企画財政部と関連業界によると、韓国政府は昨年12月に「新サービス分野中心の新業種活性化案」を発表し、情報収集・管理分野の新業種として公認探偵を取り上げた。

公認探偵は一般的に「事実調査の依頼を受け、これを遂行し、依頼人に提供する業務を行う者」とされている。興信所や何でも屋などによる、違法行為の危険性が高い調査業務を、法律の枠内に置く事が公認探偵制度の目的だ。

韓国政府が雇用活性化政策の一環として、探偵業を取り上げた事は、失踪者や行方不明児童の捜索、民事事件の証拠収集などに対して、需要があると判断した事による。韓国政府は今年中に、根拠となる法令および管理方法など、制度導入の妥当性を問う計画だ。

雇用影響評価センターでは、公認探偵制度が活性化された場合、間接雇用を含め、3年間で約3100人の雇用創出効果が期待出来るとの予測をしている。

警察は海外の事例に照らし、公認探偵制度が導入されれば、1万5千人の民間調査員が活動する事になり、約1兆2700億ウォン(約1247億円)の経済効果を創出出来ると予想している。

業界では、特に子供などの失踪者調査への需要が大きく増えると見ている。警察庁によると、昨年の失踪児童・障害者・認知症患者は4万2992人で、5年前より14.6%増加している。警察の業務負担が増大する状況下で、興信所などに流れていた潜在的な需要が公認探偵に集まれば、市場を形成出来るとの予想だ。

警察庁で長期失踪捜査チーム長を務めたイ・ゴンス白石大学警察学校教授は、論文で「米国などいくつかの国家では、民間調査制度が始まっており、共に失踪事件を処理している」と、「警察の限られた人員で、継続的な失踪捜査をする事には難しい部分もある。公認探偵の協力が切実に望まれる状況だ」と述べている。

■「長年の悲願」…制度化はいつ
公認探偵制度は業界の長年の悲願だった。韓国国内では1990年代より関連議論が活発になっている。公認探偵制度導入に関連する法律案は、1998年から総7回発議されたものの、国会の壁を越えられないまま廃案となっていた。現国会では、2つの法律案が発議された状況だ。

これまで幾度となく制度化が頓挫して来たものの、今年の業界の期待は違う物になっている。文在寅大統領は大統領候補時代に公認探偵制度を公約として掲げていた。また新業種の例として、探偵業が取り上げられた事で、法制化に対する期待も高まっている。

大韓民国探偵協会のソン・サンチョル常任会長は、「検察・警察間の捜査権調整問題や自治警察制などの問題が解決すれば、探偵業関連の議論が軌道に乗ると見ている」と、「与党内でも関連法発議の動きがあると聞いているが、与野党が同じ部分で共感すれば、(制度化の)スピードも速まるだろう」との見通しだ。

しかし、制度化に至るには越えなければならない壁も多く存在する。まず探偵の資格要件、業務の許容範囲、許可または登録制での運用の可否など、制度化の過程で産みの苦しみが予想される。

プライバシー侵害への憂慮も以前として残っている。業界の関係者は、「現在表面化していない興信所や何でも屋の不法行為が放置されており、これによるプライバシー侵害がより深刻な状況だ」とし、「公認探偵制度が導入されれば、むしろこれらに対する体系的な管理・監督が可能になる」と強調した。

翻訳︰水野卓

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