ペイパル脱退…フェイスブックの「リブラ同盟」に動揺

ペイパル脱退…フェイスブックの「リブラ同盟」に動揺

‐欧米規制当局の脅しに放棄
‐ビザ、マスターカードも再検討へ
‐金融企業転換への野心も崩壊か

フェイスブックの仮想通貨リブラの同盟が急激に揺れ動いている。世界最大のオンライン決済企業のひとつ、ペイパルが脱退を宣言した。ビザやマスターカードをはじめとする様々な協力金融企業がリブラ協会脱退を検討しているとの報道が出た直後だった。ペイパル脱退はリブラに対する欧米の規制当局による批判、マネーロンダリングに関して以前にも数回米規制当局から調査を受け、課徴金まで課されたペイパルのトラウマが複合的に作用したものだとみられる。

ペイパル脱退に続き、ビザやマスターカードまでもが脱退すれば、フェイスブックのリブラを通じて金融企業として躍進しようという野心に満ちた計画が頓挫する可能性もある。

ウォール・ストリート・ジャーナルによるとペイパルは4日、イーメールを通じてリブラ協会脱退を宣言した。ペイパルはリブラを支持し、今後もリブラの未来のための協力案を論議はするものの、それ以上のリブラへの参加は無いと発表した。

これに先立ち同紙は、ビザやマスターカードをはじめとするフェイスブックと協力してリブラを通じた国際決済システムを準備中だった金融企業が計画の再検討に入ったと報じていた。電子決済でビザやマスターカードなどと肩を並べるペイパルの脱退は、フェイスブックにとって特に打撃が大きいとみられる。ペイパルがフェイスブックと共に事実上リブラ開発の共同主演者を担って来たためだ。

また両者の縁も深い。リブラはペイパルの社長を務めたデビット・マークス氏のアイディアから始まっている。2014年にフェイスブックのメッセンジャー事業部門の社長職に就いたマークス氏は、昨年社内にブロックチェーン・アプリケーション推進チームを作った。ブロックチェーンを通じた決済システムを作り、まずはフェイスブック内での電子商取引の電子決済を進め、金融企業として躍進するという野心に満ちた計画だった。

ペイパルもフェイスブックに力を注いだ。3月にはアプリ内ショッピングを支援する既存のフェイスブックの決済システムを強化する事にした。リブラ参加は両者の協力を強化する契機になると期待されていた。

特にリブラ参加は、ペイパルの弱点を補完する役割を果たすものだった。ペイパルと違いリブラは既存の決済システム以外に、まだ開発はされていないものの不動産や通貨資産を土台にしたブロックチェーン・ネットワークでも決済が可能となるからだ。しかしペイパルは欧米の規制当局による強い脅しに戦々恐々とし計画を諦めたのだとみられる。

6月にフェイスブックのリブラ協会発足が発表されると、米国やヨーロッパ各国の議会と規制当局は直ぐにリブラに対し集中砲火を浴びせた。またフェイスブックをはじめとするリブラ協会参加企業が利用者情報保護をどの様に行うのかと問題を提起した。更に犯罪者やテロリストらがリブラを悪用してマネーロンダリングを行う事を防ぐのは難しいと批判していた。

翻訳:水野卓
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