【現場ルポ】日本不買運動の落ち着きを狙ったユニクロの割引セール…「フリース」品切状態も

【現場ルポ】日本不買運動の落ち着きを狙ったユニクロの割引セール…「フリース」品切状態も
‐再び賑わうユニクロ
‐広告炎上も攻めのマーケティング展開
‐越冬シーズンに合わせ50%OFF
‐ダイソーや無印商品も回復の兆し
ソウル江南区のユニクロ江南店は、冬の必須アイテムとして上げられる「フリース」を売場全面に配置して50%割引セールを展開し、最近では一部商品が品切状態となった
退社時間帯には10代から60代まで老若男女問わず押し寄せている。フリースの一部サイズが品切になると、店員は別の売場を案内していた。奥の売場に入るとダウンジャケット、コート、ベストなどの前に、これからのシーズンに備えてセール期間を逃すまいという客足が途切れなかった。
ソウル地域にある別のユニクロ店舗の状況も同様だった。ユニクロ明洞中央店の3階建ての建物の中では、客が広げた服を整理するため店員が一心不乱に動いていた。また客の何人かはカゴ一杯に服を入れていた。
ユニクロは来年上半期までに韓国国内に7つの新規店舗を追加するとの計画を明らかにするなど、マーケティング強化を続けていく計画だ。流通業界によると20日、日韓の対立による直撃弾を浴びて不買運動の対象となっていた企業が割引セール攻勢などで、失った顧客の心を取り戻そうと懸命な努力を続けている。
しかし不買運動の直撃弾を浴びていたユニクロは攻めの割引セールで顧客が再び戻り始めているものの、突然の広告炎上に巻き込まれた。
ユニクロが最近公開した広告が慰安婦を揶揄しているのではないかとの指摘を受けた。他国の広告には無かった「なんと、80年以上も経った事を覚えているかって?」という老女の言葉の韓国語字幕が載った事が問題になった。今から80年前の1930年代後半は徴用工と慰安婦動員が成された時期だったため、見方によっては「日本軍による戦争被害者らを揶揄している」という意味にもなる。
「意図的に冒涜したものではない」とユニクロは否定した。更に問題を沈静化させるため、直ちに広告を中止するという特段の措置を下した。ユニクロはこの日、「広告はフリース25周年を記念した世界的なシリーズで、あらゆる政治的また宗教的な事案、信念、団体とは関係が無い」と、「多くの方が不快感を感じた部分を重く受け止め、直ちに該当広告を中止する」と明かした。
この特段の措置により、ひとまず問題は落ち着くとみられる。しかし今後の売上にどの様な影響を及ぼすかは1〜2週程度様子を見てから判断される事になるとみられる。
これに先立ち、ユニクロの攻めの割引マーケティングのおかげで市場では先週まで熱い反応を見せていた。ユニクロで韓国消費者の財布の紐が緩み始めた事は、攻めのマーケティングがある程度有効だったと考えられる。
ユニクロは今月11日から「15周年感謝セール」を行い、人気商品を最大50%まで割引する破格のセール攻勢を浴びせている。
ユニクロとともに不買運動のターゲットになっていた他の企業も回復の兆しを見せている。ダイソー明洞駅店は平日でも顧客が長い列を作り賑わいを見せている。一時盛んになっていた日本製品不買運動が多少は落ち着いた様だ。これにより日本ブランドの間では破格セール戦略で雰囲気を変えようという動きも見られる。日本の雑貨ブランド「無印良品」も18日から顧客感謝セールに入り、消費者の財布の紐を緩めようとしている。
一方、冷え切った日韓関係は22日に予定されている天皇陛下の即位礼正殿の儀を契機として、徐々に改善する事が期待される。韓国政府は天皇陛下の即位礼正殿の儀に李洛淵(イ・ナクヨン)首相を送る事で日韓関係改善のメッセージを伝えるとみられている。日韓関係改善が成されれば、不買運動も多少は落ち着く事が予想される。
翻訳:水野卓
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