世界株式市場「米国の10年天下」終幕…日韓に「新たな10年」の到来

gjsr

‐米CNBC「来年は新興国株式市場に期待」
‐ニューヨーク株式市場10年の上昇は「高評価」
‐ウォール街一部で資金移動
‐米中貿易戦争が変数となるか

来年の世界の株式市場は米国の「10年天下」が幕を下ろし、日本、韓国、ドイツ、中国などの新たな「10年天下」が始まる年になるとみられる。ウォール街の一部の戦略家と投資家らは既にニューヨーク株式市場から資金を引き下げ、新興市場などに資金を移しているとの見方もある。これは10年間上昇傾向にあったニューヨーク株式市場が高く評価されていた一方で、米国以外の株式市場が低く評価されていたという事に加え、来年からは世界経済が回復に向かうという楽観的な展望に基づいている。もちろん世界経済回復の展望は米国と中国の貿易戦争が深刻化しないという前提が元になっている。

米経済チャンネルCNBCは現地時間7日、ウォール街の投資家や戦略家が来年以降、米国を除いた世界の株式市場の上昇を期待していると報じた。2010年以降、世界の株式市場がニューヨーク株式市場を上回ったのは2回のみで、過去10年間のほとんどをニューヨーク株式市場の上昇に押されていた。

ニューヨーク株式市場の市況を最もよく反映するS&P500指数が2010年以降に180%以上上昇した一方、世界の株式指数であるMSCI ACWIから米国を除外した上場指数ファンドMSCI ACWIの上昇幅はその1/10程度となる18%に過ぎなかった。新興市場の株式市場は更に実績が芳しくなかった。iシェアーズMSCI新興市場指数は僅か4%上昇するに留まった。しかし来年以降、状況は反転するとの分析が有力視されている。

■低く評価されて来た世界の株式市場

BCAリサーチのグローバル戦略責任者ピーター・ベレジン氏は「10年以上低調な実績を見せている米国以外の株式は今、米国株式の実績を上回る準備をしている」と、「世界の経済成長の流れが再び勢いを得て、米ドルが弱含みを見せており、魅力的なバリエーションが投資家らを引き込む事で、来年には世界の株式市場が米国を圧倒するだろう」と分析ノートで述べている。

バリエーションの代表的な尺度のひとつとなるPER(株価収益率)は、ニューヨーク株式市場に比べ世界の株式市場が相当に低く評価されている事を表している。S&P500指数のPERは2018年8月以来、最も高くて20倍を上回っている。前年同期比での企業実績が減少傾向にあるにも関わらずS&P500指数が史上最高値を記録するなど、上昇傾向が続いた事によるものだ。

一方で全世界の株式指数であるACWIのPERは14.7倍に留まっている。トップダウンチャートのリサーチ責任者カラム・トーマス氏は米国株式と世界株式の間に「50%のバリエーションのギャップ」があると見ている。同氏は分析ノートで「もちろん米国以外の株式市場に問題があるのは間違い無いが、50%ディスカウントされる程なのか」と反問した後、「ギャップが充分だと思えるレベルまで広がった時点で、世界の株式市場が自身の声を上げ始めるだろう」と予測している。

■「日本と韓国の株式を買え」

米国株式市場と世界株式市場の両極化は米国の「単独成長」と世界経済の鈍化が重なった事によるものだ。各国の中央銀行が景気鈍化に合わせて通貨緩和を導入し、依然として薄氷を踏む状態ではあるものの、米中が「第一段階の貿易合意」に近付いている事で景気の展望は良くなりつつある。

BCAのべレジン氏は「米中の貿易戦争緩和への努力が来年の世界経済回復の流れを刺激するだろう」と、「米国の株式市場に比べ、ディフェンシブ銘柄よりも景気循環株の比重が高い世界の株式市場がより大きな恩恵を受けるだろう」とみている。

この様なシナリオは既に世界の株式市場に反映されているとのシグナルもみられる。モルガンスタンレーの首席米国株式ストラテジストのマイク・ウイルソン氏は「市場は既に(世界経済の)成長転換のシグナルを送っており、価格にも反映されている」と話した。同氏は来年は日本と韓国の株式を買うようにと投資家らに勧めている。その代わりに来年は米国株式の比重を縮小する様にとも伝えている。

東京株式市場の日経225指数は今年になって16.4%上昇し、iシェアーズMSCI日本ETF(EWJ)は18%以上上げている。一方で韓国の株式市場は韓国総合株価指数 (KOSPI)が今年小幅の上昇に留まっており、iシェアーズMSCI韓国ETF(EWY)は2%以上下落している。

ドイツ株と中国株の購入を勧める声もみられる。ニュービーンの首席投資ストラテジストのブライアン・ニック氏は「ドイツと中国経済は密接に関係している」と、「来年、中国経済が多少安定を取り戻せば、ドイツをはじめとする経済開放度が高い国家が良い実績を収めるだろう」とみている。

一方、アストリア・ポートフォリオ・アドバイザーズのCIO(最高投資責任者)ジョン・デイビー氏は「来年からの10年間は世界の株式市場が米国の株式市場を圧倒する」とみている。同氏は「過去10年は米国が世界の他の国家を驚くべき程に圧倒して来たが、今後10年は流れが変わるだろう」と、「来年から世界の株式市場の10年天下が始まる」と話した。

翻訳:水野卓
Copyright ©The financialnewsjapan. All rights reserved.

関連記事

ピックアップ記事

  1. 新型コロナウイルス肺炎の確定患者と死者が1日の間に急増した。中国は春節休暇を延長してまで全力で対応に…
  2. 米プロバスケットボール(NBA)の伝説的なスター、コービー・ブライアント(41)が26日、ヘリコプタ…
  3. 投資コンサルティング会社「玄海インベストメントアドバイザー」が大規模な太陽光発電施設向けの新ファンド…
  4. 「新型肺炎」と呼ばれる新種のコロナウイルスの宿主がコウモリだという、中国研究者の分析が出た。…
  5. 国際通貨体制に一大変化が予告されている。欧州連合(EU)、英国、カナダ、スウェーデン、スイス、日本な…

おすすめ記事

  1. Googleの親会社であるアルファベットの時価総額が16日(現地時間)、1兆ドル(約110兆円)を突…
  2. 「火の手から逃れたカンガルーの避難場所となっていたゴルフ場が"死の大地(キリング・フィールド)"にな…
  3. 昨年、韓国と隣国との国際関係は例年以上に多事多難だった。昨年7月の日本の輸出管理厳格化により韓国国内…
  4. イランがイラク西部の米軍基地をミサイルで攻撃したならないか、国際原油価格と安全資産である金の価格が急…
  5. オーストラリア南東部の史上最悪の森林火災で、今まで野生動物5億匹が死んだと推定された。米CNBCによ…
ページ上部へ戻る