第二段階の交渉時期は?米中が既に神経戦

‐第一段階の合意履行が重要変数
‐トランプ氏「残りの関税は交渉用」
米中の第一段階の貿易交渉が合意に到達した中、実際の履行過程における難関が少なからず予想される。
中国の貿易交渉合意の結果によっては米国の関税賦課措置が予告されている。更に米中貿易摩擦の構造的な問題を扱う第二段階の交渉時期と交渉内容についての神経戦も予想される。
当面は第一段階の合意に対する最終署名が問題になっている。米中両国は第一段階の貿易交渉に合意したと発表した。ただしUSTR(米国貿易代表部)のロバート・ライトハイザー代表は、来年1月の第一週に最終署名が成されるだろうと話している。
今回の交渉が未完のスモールディールであるという点からも、最終署名の結果を見守らなければならないという見方だ。更に中国の第一段階合意の履行の結果によっては問題が再燃する可能性もある。
今回の合意により、中国が米国産農産物購入の拡大を明らかにした中で、ライトハイザー代表は中国が今後2年に渡りこれまで以上の320億ドル(約3兆5000億円)規模の米国産農産物を追加購入する事に合意した事を明らかにしている。また全般的に中国が重要な構造改革と今後2年間に製造業、エネルギー、農業、サービス業などの4分野に集中して2000億ドル規模の米国産製品・サービスの追加購入を約束したとも話している。しかし中国の購入方法や時期、規模などをめぐり、米中間に摩擦が起きるとみられる。
第一段階完全妥結後の第二段階の議論を取り巻く激しい摩擦も予想される。スティーブン・ムニューシン米財務長官はカタールの首都ドーハで開かれたドーハフォーラムで現地時間14日、米経済チャンネルCNBCとのインタビューに応じ「我々は1月に(第一段階の合意が)完全に実行されると予想している」と、「最も重要な問題は第一段階の合意の履行だ。その上で第二段階の合意に向けた交渉を始める」と話した。
ムニューシン長官は「第二段階の合意に向けては重要な問題が残されている。第二段階の合意A、第二段階の合意B、第二段階の合意Cなどがあるだろう。見守ろう」と話した。
第一段階の合意に対する中国の誠実な履行を前提に、第二段階の交渉が可能になるという意味。特に第一段階の合意が不履行となった場合や、第二段階の交渉が破談に終わった場合は、米国はいつでも追加関税賦課のカードを切るという点を明らかにしたのだとみられる。
実際にドナルド・トランプ米国大統領は米中第一段階貿易合意について記者らに対し、現在残されている対中関税は今後の交渉で活用する考えである事を明らかにしている。
翻訳:水野卓
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