「新型肺炎」感染者増加幅12日間で最少…死者増加数も減少へ

‐12日0時現在の新たな確定患者2015人…1月31日1982人以降最少
‐死者は前日の108人から90人台に
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者と死者の数が減少した。しかしウイルス拡散の勢いがピークを過ぎたのかについては未だ分からない状況だ。中国で呼吸器疾病分野の最高権威とされる人物は「2月中下旬」をピークとみているなど、専門家の間でも意見の違いがみられる。
中国国家衛生健康委員会によると12日、同日0時現在の中国本土での累積確定患者は4万4653人、死者は1113人となった。
前日比で確定患者は2015人、死者は97人増加している。
新たな確定患者は先日の3887人以下で増減を繰り返しており、10日に3062人となった後は2日連続で2000人台となっている。新たな確定患者は1月31日の1982人以降、12日間で最も少ない増加幅となった。死者も前日には100人を超えていたが、再び90人台にまで下がった。
新型コロナウイルスが発生した湖北省では、同時間基準での新たな確定患者は1638人、死者は94人となっている。これにより湖北省での累積確定患者は3万3366人、死者は1068人となった。湖北省のみで見た致死率は3.2%となる。
湖北省での新たな確定患者数も今月4日の3156人から徐々に減少し、この日、1000人台にまで減少した。新たに判明した死者の数も10日の103人に比べ9人減少した。新型肺炎が最初に発生した武漢華南海鮮卸売市場のある武漢市での新たな確定患者は1104人、死者は72人となっている。
また新たに全体で871人の重症患者が報告された。しかし湖北省での重症患者はこれより多い897人とされている。この事について中国保健当局は「湖北省以外の地域で重症患者の数が減り、全体の重症患者の数の方が少なくなった」と回答している。
現在、確定診断を受けて治療中の患者は3万8800人。この内、重症患者は8204人である事を衛生健康委員会が明らかにしている。累積退院患者は4740人となった。
また感染が疑われる患者は1日の間に3342人(湖北省1685人)が加わり、1万6067人となった。累積濃厚接触者は45万1462人、医学的観察対象者は18万5037人となっている。
中国本土以外では77人が確定診断を下された。香港49人(死亡1人)、マカオ19人、台湾18人と衛生健康委員会が発表している。
中国のインターネット企業テンセントが集計した中国以外の感染者は397人。この内、死者はフィリピンでの1人。161人の日本が最多で、続いてシンガポール47人、タイ33人、韓国28人、マレーシア18人となっている。
一方、WHO(世界保健機構)は現地時間11日、新型コロナウイルスのワクチンを18ヶ月以内に準備出来るだろうと、スイスのジュネーブにあるWHO本部でのメディア・ブリーフィングで明らかにした。
また新型コロナウイルスの正式名称を「COVID-19」と決定した事を発表した。「CO」はコロナ(corona)、「VI」はウイルス(visus)、「D」は疾患(disease)、「19」は新型コロナウイルス肺炎が初めて報告された2019年をそれぞれ意味する。
翻訳:水野卓
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