フィリピン、金融市場の取引を「無期限シャットダウン」

新型コロナウイリスの感染拡大による世界証券市場の暴落が続いている中、フィリピン政府が17日、金融市場での取引を無期限停止することを決めた。新型コロナウイリスの事態が発生した以後、金融市場をシャットダウンしたのはフィリピンが初めてだ。
フィリピンの証券取引所や銀行協会は同日、声明を発表し、「追って通知があるまで、株式・債券及び外国為替の取引を停止する」と伝えた。
フィリピンの証券市場の総合指数(PSEi)は新型コロナウイリスの感染拡大とそれに伴う世界的な景気低迷の見通しで、年初比30%以上急落した状況。
金融市場のシャットダウンは全く前例のないことではない。実際に2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ後、米株式市場は約1週間の間に取引を停止した。香港の株式市場も1987年のブラック・マンデーの株価大暴落直後、取引の停止を決めた。
一方、フィリピンのドゥテルテ大統領は15日、新型コロナウイリスの感染拡大を防ぐため「国家非常事態」を宣言した。また17日0時から4月13日まで首都マニラを含むルソン島全域で住民の移動を制限する「封鎖」措置も発表した。ルソン島には、フィリピンの人口の半分以上となる5700万人が居住している。フィリピンは現在までに合計142人の感染者が確認されている。
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