米株が10%以上の急騰…1933年以降最大の上げ幅

‐景気対策案の議会通過への期待感が影響
米国のニューヨーク株式市場が新型コロナウイルス感染拡大に対する景気浮揚策への期待感から11%上昇した。少なくとも1兆ドルとなる大規模景気対策の米国議会通過が近いとの期待感が、ニューヨーク株式市場の急騰に影響を及ぼしたとみられる。
一方でこの日のニューヨーク株式市場の急騰は、ベアマーケット・ラリー(下げ相場の中の一時的な反騰)だという見方もある。
現地時間24日、ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価指数は前取引日より2112.98(11.37%)高い2万704.91ドルで取引を終えた。米経済チャンネルCNBCによると、ダウ平均株価指数は2万ドルを回復するとともに、パーセンテージ基準で1933年以降の1日での最大上げ幅を記録した。
またS&P500指数も209.93(9.38%)上げた2447.33で取引を終えている。S&P500指数も2008年10月以降で最も大幅な上昇となった。ナスダック総合指数も557.18(8.12%)上昇した7417.86で取引を終えた。ダウ平均株価もS&P500指数も2016年以来の最安値水準まで下がっていたが反騰した。
石油メジャーのシェブロンはCEOが配当を減らさないと宣言した後に22%超上がり、ダウ平均株価を引き上げた。アメリカン・エクスプレスやボーイングも20%超の上昇となった。エネルギー株は16.3%上昇し、S&P500で最も大きな上げ幅となった。産業株と金融株もそれぞれ12%超上昇した。
新型コロナウイルス感染拡大により大打撃を受けていたウィン・リゾーツやMGMリゾーツも15%超の上昇となった。デルタ航空は21%超の上げ幅となり、GMも20%近い上昇となった。ノルウェージャン・クルーズラインは42%急騰した。
米民主党のナンシー・ペロシ下院議長はCNBCのインタビューで、議会が合意出来るという「真の楽観論が出ている」と話した。
一方で専門家らはニューヨーク株式市場の急騰に対する警戒心を見せている。
JPモルガン・チェースのグローバル市場ストラテジスト、ニコラオス・ パニギリツオグル氏は「空売りの利益確定が一時的に株価を引き上げた」との見方。クレディ・スイスの米国株式市場担当チーフ・ストラテジスト、ジョナサン・ゴラブ氏は「感染事例がピークに達すれば市場は底を打つ」と、市場には依然として変動性が残っているとみている。
翻訳:水野卓
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