米、新型コロナの死亡者2万人超え世界最多…ピークはまだ先か

米国の新型コロナウイルスによる死亡者が2万人を超えた。また米国の全50州に対し大規模災害宣言が発令された。
世界統計専門サイトのワールドメーターによると、現地時間11日基準の米国の新型コロナウイルスの死亡者は2万577人で、イタリア(1万9468人)を抜き、世界最多となった。感染者数も53万人を突破した。
これにより米国は新型コロナウイルスの感染者と死亡者がともに世界で最も多い国家となった。
CNNは12日、最近新型コロナウイルスの死亡者が急増する傾向を見せていると報じた。先週金曜日には1日の死亡者が初めて2000人を超え、過去最多の死亡者数を記録した。これまでの最多は7日の1971人だった。
米国の死亡者と感染者は特にニューヨーク州に集中している。この日のニューヨークの感染者は1日で8100人増加し、累計18万458人となった。死亡者も前日より783人増加し、累計で8627人となっている。ニューヨークの死亡者は米国全体の43%を占める。
ニューヨークが最大の被害地域であるが、シカゴをはじめとした中西部の都市でも死亡者が急増している事で、緊張が高まっている。
シカゴ・クック群にある刑務所では約300人の受刑者が新型コロナウイルスの陽性反応を見せ、2人が死亡した。クック群は2000人以上の遺体を収容出来る臨時の霊安室を設けた。
インディアナ州のある療養所では24人が新型コロナウイルスにより死亡し、アイオワ州の療養所でも14人が亡くなっている。
今月7日に予備選が行われたウィスコンシン州の保健当局関係者らは、新型コロナウイルスの感染者が急増する事を憂慮している。
ワシントン・ポストは「新型コロナウイルスの検査がきちんと実施されていない上、病院外で亡くなった死亡者の場合は正確な死因を確認するのが難しいとの点から、専門家らは米国の死亡者の統計が更に悪化する事を憂慮している」と報じた。
アメリカ国立衛生研究所傘下、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は最近、米国の死亡者が6万人となる可能性がある事を明らかにした。ファウチ所長は「ソーシャル・ディスタンス」などの防疫対策が緩めば、死亡者が爆発的に増加する可能性もあると警告している。
この様な中、ドナルド・トランプ大統領はこの日、ワイオミング州からの連邦災害地域宣言の要請を承認した。これにより、米国50州全てが災害地域に指定された。ニューヨークタイムズは伝染病により米国50州全てが災害地域に指定されたのは歴史上初めての事だと報じた。連邦災害地域として宣言されると、地域住民の保護活動は連邦政府の財政により支援され、現地の公務員に対しては住民を保護する権限が与えられる。
翻訳:水野卓
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