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「中央銀行によるデジタル貨幣が出来てもビットコインの魅力は維持される」

−新韓金融投資「CBDCが描く貨幣の未来」報告書
−「取引手段としては縮小…価値を貯蔵する手段としての魅力は有効」
−制度的な土台が作られ、投資のアクセシビリティ高まる
韓国をはじめ、中国や米国など主要国家の中央銀行がデジタル貨幣(CDBC)発行の議論を本格化する中、CDBCが発行されるとビットコインの魅力が失われるとの憂慮が広がっている。
これについて、CDBCが発行された後、取引手段としてのビットコインの魅力は縮小し、価値を貯蔵する手段としてのビットコインは全体的な希少性や永続性、便利さなどの特性により、その魅力が維持されるとの見解もみられる。
−「CDBCが出来てもビットコインの魅力は有効」
韓国の新韓金融投資は8日、「CDBCが描く貨幣の未来」と題した報告書を通じ、「CDBCが登場すれば、次世代の取引手段としての役割を模索していた仮想通貨の地位が縮小する見込み」だと、「それでも希少性、永続性、便利さなどの特性を通じ、価値を貯蔵する手段としてのビットコインの魅力は有効だろう」と発表した。
取引手段としてのビットコインの魅力は半減する可能性もあるが、価値を貯蔵する手段としての魅力は維持されるとの見方だ。
価値を貯蔵する用途に用いられる代表的な資産には金と銀があり、法定貨幣の中では米ドルが上げられる。米ドルと金は長く信頼を構築し安全資産としての地位を得た。
ビットコインも希少性と永続性の側面から、金同様の性格を持っている。ビットコインは発行量が決められており希少性が高い。またブロックチェーン・ネットワークが存在する限り、デジタル世界で永遠に存在可能だ。更にデジタルで取引出来るという点で便利さも兼ね備えている。
新韓金融投資のハ・ゴンヒョン研究員は「ビットコインはデジタル上で取引が簡単になされるため、金よりもアクセシビリティで優れている」と、「ビットコインの保有者が増加し、多様化しているということは、価値を貯蔵する手段としての信頼性が強化されている証拠で、ビットコインと金の時価総額の差は時間が経つに連れて縮小すると期待している」と話した。
−制度的土台の形成…投資のアクセシビリティ向上
最近数年間、規制や制度的土台が形成され、機関投資家らの参加が高まっているという点も、仮想通貨に有利な点だ。
カナダでは最近、ビットコインのETFが登場した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)はビットコインの先物オプションに続き、最近イーサリアムの先物オプションも開始している。仮想通貨の公示提供企業Xangleによると、ビットコインの時価総額は昨年4倍増加し、100万ドル(約1億900万円)以上の規模の取引量は20倍増加した。
世界最大の仮想通貨運用社グレースケールは、ビットコインの累積保有規模が65万枚に迫っている。昨年第4四半期には15万枚のビットコインを追加買い入れし、この内の93%が機関投資家の顧客だった。
この様な状況が各国に広がれば、機関投資家らはもちろん、個人投資家らのアクセシビリティも高まるとみられる。
しかし、△高い価格変動性 △手数料負担 △政府規制に脆弱など、取引手段として仮想通貨が利用されるには限界がある。
ハ研究員は「全ての仮想通貨取引に対し取引税を5%賦課するだけでも、既存の0〜3%で構成されている支払い決済手数料を上回り、取引手段としての魅力度は半減するだろう」と話している。
翻訳︰水野卓
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