仮想通貨市場を揺さぶるフェイクニュース…記事1行で4000億円減少

フェイクニュースが仮想通貨市場を揺さぶっている。世界最高のオフライン流通企業ウォルマートと時価総額16位の仮想通貨ライトコイン(LTC)にまつわる偽の報道資料を世界中のメディアが相次いで報じたことで、市場は大幅に揺れ動いた。高値からは358000万ドル(約3925億円)が減少した。

ライトコイン80分間に30%急騰落4000億円減少

仮想通貨データ企業コインマーケットキャップによると14日、ライトコインは前日の午後1049分頃231.11ドルまで急騰した。午後1029分に175.51ドルを記録した後、僅か20分の間に31.7%の上昇だ。ロイター通信やブルームバーグ、CNBCなど有力メディアが一斉にウォルマートがライトコインを決算手段として採択したとのニュースを報じたためだ。

ライトコイン財団の公式ツイッター(@litecoin)もこの報道をリツイートし、報道が事実であることを認めたように見えた。しかしウォルマートがこれを公式に否定したことで、ライトコインは急落した。高値から僅か1間も経っていない午後1144、ライトコインの上げ幅は完全に縮小し177.51ドルまで下落した。時価総額は高値の1543000万ドル(約16900億円)から1185000万ドル(約13000億円)まで下がり、358000万ドル(約3925億円)減少した。

フェイクニュースによる価格変動は韓国市場でより激しかった。仮想通貨取引所のアップビット基準で、ライトコインは前日10時頃に21万ウォン(約2万円)台で取引されていたが、関連ニュースが伝わると最高で342200ウォン(約32000円)まで上昇した。価格が60%以上高騰したことになる。しかしフェイクニュースだと判明した後には再び21万ウォン台に戻った。1間の間にアップビットだけでも5300億ウォン(約495億円)以上のライトコインが取引された。

報道資料に財SNS担当者も騙された

有力メディアが一斉にフェイクニュースに騙されたのは米国の報道資料サービス「グローブニューズワイヤ」が「ウォルマート、ライトコインと主要パートナーシップ締結発表」と題した報道資料を送付したことによる。該当資料はウォルマートのダグ・マクミロンCEOの「101から全てのイーコマース店舗でライトコインの決済オプションを施行する」との発言や、ライトコイン創設者兼CEOのチャーリー・リー氏が開発について興奮と熱情を表現したなどの内容を掲載していたことが分かっている。

ウォルマートは公式資料を通じて「この内容には欠片の真実も無い」と、「ウォルマートはライトコインと提携を結ぶ計画が無い」と伝えた。グローブニューズワイヤも該当報道資料を廃棄している。グローブニューズワイヤの親会社イントラドは「虚偽情報を流布しようとの目的で詐欺ユーザーアカウントが作られたことを確認した」と、「認証手続きを強化し、報道資料配布システムの瑕疵を全面的に調査する」と話している。

ライトコインが該当報道をツイッターで共有した経緯も明らかになった。チャーリー・リーCEOはブルームバーグTVとのインタビューで「SNSアカウント管理者のうちの1人が、私が朝目覚める前にグローブニューズワイヤを見て、更にヤフーニュースとCNBCにもニュースが出ているのを見て真実だと思ってしまった」と説明した。また今回のフェイクニュースはライトコイン側が流布したのではないかとの疑惑については「私が保有しているのは僅か20LTCなので、虚偽事実を流布する動機が全く無い」と否定した。

ずさんなファクトも相次いだ誤報強力な規制に繋がる

問題となった報道資料にはいくつかずさんな部分があるだけに、グローブニューズワイヤとメディアがもう少し注意を傾けていれば、問題を防ぐことが出来たとの見方もある。仮想通貨専門メディアのクリプトスレートは、報道資料のイーメールがウォルマートの公式サイトと連結しておらず、ウォルマートが一般的に使用している金融関連免責事項も含まれていなかったと指摘している。

今回の事件は仮想通貨産業に対する強力な規制に繋がるとみられる。ザ・ブロックは「基本的にあらゆる人を騙した今回のポンプ・アンド・ダンプ画がゲイリー・ゲンスラー氏と米SECの怒りを呼び起こしたとしても驚きはしない」と記した。米国の仮想通貨専門銀行アヴァンティのケイトリン・ロングCEOも「詐欺師を追跡する機関は米SECではなく司法部(DOJ)」だと、「法執行機関が、事前にライトコインを取引した人々に関する情報を要請した状態」だとツイートしている。

ライトコインはビットコイン(BTC)からハードフォークして派生した最初の仮想通貨。処理速度の速さと取引手数料の安さが長所で、個人間のP2P取引を通じ、ほぼ費用負担無しで全世界の人々に仮想通貨を即時転送することが出来る。創設者は中国系米国人チャーリー・リー氏とシンシー・ワン氏だ。

翻訳︰水野卓
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