米ウーバーCEO、「自動車より電動キックボードに集中する」

米ウーバーCEO、「自動車より電動キックボードに集中する」
第2四半期に約1千億円の赤字を出した米配車サービス大手ウーバーが長期的な成長のために自転車と電動キックボードのような一人用移動手段に集中することにした。ウーバーは長期的に、収益性は低いが需要の高い短距離都心運行と、需要は低いが収益性の高い長距離郊外運行を並行する事業モデルを構築する計画だ。
ウーバーテクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は27日、英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューに応じ、ウーバーの事業領域を都心とその他の地域に分けて運営する方針だと語った。コスロシャヒ氏は、「従来の都心地域サービスは実用性が低く、自転車や電動キックボードのような運送手段を貸すサービスがさらに実用的だ」という判断を示した。
同氏は「通勤時間に1人が10ブロックを移動するために1トンの鉄の塊を使うのは非常に非効率的」と強調。また「利用者と都市に利益になる行動様式を作ることが出来ると思う」とし「短期的には損になるかもしれないが、戦略的には、これが我々が望む方向だ」と述べた。
ウーバーは今年2月に自社のアプリケーションに自転車シェアサービスを追加し、4月には2億ドルを投じて自転車シェアスタートアップ企業の「ジャンプ」を買収した。また、先月には多国籍投資機関と一緒に自転車と電動キックボードのシェアリング事業を行うスタートアップ企業「ライム」に3億3500万ドルを投資するなど、様々な大規模投資で「都心移動プラットフォーム」への推進を鮮明にしている。
コスロシャヒ氏は、一人用移動手段への集中が損失につながる可能性があると認めつつも「同じ距離を基準に、自転車シェアが車シェアよりも利益率が低いながらも、利用者が自転車を定期的に利用すれば、損失が減少すると思う」と予想した。また、自転車に顧客を奪われるウーバーのドライバに対し「都心がウーバー自転車に支配されれば、ウーバーのドライバは渋滞の都心の道路で時間を無駄にすることなく、収益性の高い長距離運行に集中することができる」と主張した。
しかし海外メディアなどは、ウーバーがこの戦略で赤字から脱出できるのかは不明だと分析している。今月発表された今年2四半期の純損失は8億9100万ドルで、前四半期の赤字(5億5000万ドル)よりも増加した。昨年8月に就任したコスロシャヒ氏は今月の実績発表当時、「中東やインドなどに投資を増やし、フードデリバリーなどの新たな分野への投資も広げたい」と決意を語った。
Copyright © The financial news japan. All rights reserved.
ファイナンシャルニュースジャパン