アルゼンチン、金利60%に利上げ…ペソ、リラ下落加速

アルゼンチン、金利60%に利上げ…ペソ、リラ下落加速
アルゼンチンの中央銀行は30日、政策金利を年率60%に引き上げた。通貨ペソの下落を止めようとする緊急処置だが、通貨安は止まらず加速する様子だ。トルコリラも下落が続いた。9月13日の政策金利利上げ決定を控えた緊迫した時点で、トルコ中央銀行のキリミジ副総裁が辞任。下げ基調がさらに拡大した。アルゼンチンとトルコの通貨不安はすぐに他の新興国に広まり、南アフリカ共和国のランドが2%以上急落するなど、世界の金融市場を揺さぶっている。
英紙フィナンシャルタイムズによると、アルゼンチンの中央銀行(BCRA)は同日、ペソ急落を落ち着かせるために政策金利を15%に緊急利上げすると発表した。中銀は今月13日に金利を45%に引き上げたばかりだ。しかし、ペソ安を食い止めるのが緊急利上げの狙いだが、ペソ下落は止まらず、金利引き上げ後も12.6%も下落し、1ドル41ペソと史上最安値を更新した。年初来の下落幅は51.7%となった。
トルコでは、2週後に政策金利引き上げを議論する重要な通貨政策会議を控えて中銀のキリミジ副総裁が辞任した。市場ではエルドアン大統領の勢力がさらに拡大することに懸念を示している。
エルドアン大統領は今年6月に再執権し、大統領の権限を大幅に強化。中央銀行総裁と4人の副総裁を直接任命する権限を持つようになった。空席になった副総裁は「高金利の敵」を自任するエルドアン大統領が指名する人物で埋められることになり、不安感が高まっている。この影響でリラの下げ幅は一時5%まで拡大した。
アルゼンチンとトルコの通貨不安は新興国の資産売りにつながった。新興国の株式市況を反映しているFTSE新興国指数は同日1.3%下落し、過去3週で最大の下げを記録した。新興国の通貨価値を示すJPモルガン新興市場通貨指数も同日1%下落し、史上最低水準となった。
南アフリカ共和国のランドは2.5%下落し、中南米の通貨も大幅下落した。またチリペソは1.8%、ブラジルレアルは1%、コロンビアペソは0.8%の下げ幅を記録した。
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