止まらないリラ・ペソ急落…「新興国通貨危機は来年まで続く」

止まらないリラ・ペソ急落…「新興国通貨危機は来年まで続く」

-海外専門家ら相次ぐ警告

アルゼンチン、トルコを震源地として始まった新興国の通貨や資産価値の下落、外国人投資減少などの下落基調が来年まで続くと、米国経済専門チャンネルCNBCが1日(現地時間)、専門家らの言葉として報じた。

専門家らは、中国の成長鈍化、一部新興国の主な収入源である原材料価格の下落基調、ドナルド・トランプ米国大統領の貿易戦争、連邦準備制度の金利引き上げなどが来年には実体経済に影響を及ぼすと予想、「米国の経済成長までが鈍化して、新興市場の状況は今以上に悪化する」と分析した。

先週市場を揺さぶったアルゼンチンとトルコ発の不安は、週末にはひとまず落ち着きを見せた。しかし専門家らは新興国の経済不安は未だ本格化していないとみている。さらに今年後半に向けて困難は増え続けると予想している。

ブラウン・ブラザース・へリマン(Brown Brothers Harriman)の専任外貨ストラテジストのウィン・シン氏は、「暫くの間は新興市場の弱含みが緩和するのは難しい」という見解を示した。また「米国の金利引き上げ、貿易摩擦、中国の景気鈍化など、新興市場にネガティブな要因があちこちに散在している」とも指摘している。

既に新興市場の株式市場を反映する「iシェアーズ・MSCI新興市場上場指数ファンド(ETF)」は先月、一時的にとはいえ1月の最高値に比べ20%下落し、下げ相場に突入している。同指数は先週だけで1%、8月の一ヶ月間では4%以上下落している。

投資銀行のJPモルガンは、アルゼンチンとトルコの不安は新興国にまで伝染しなかったとみている。また今後も伝染は制限されると予想している。しかし新興国が危機から抜け出した事を意味しているのではない。JPモルガンは、年内の新興国の金融環境は引き続き悪化すると予想した。新興国を襲う最大の脅威として、トランプ大統領の貿易戦争を挙げた。中国から始まり、新興国全体に衝撃を与えるとの憂慮だ。

英国の経済調査会社キャピタル・エコノミクスのジャクソン氏は「中国経済は依然として鈍化しており、商品価格は友好的でない上に、来年にかけて米国連邦準備制度の緊縮策が実体経済に影響を及ぼし始め、米国の景気も鈍化するだろう」と、「トルコとアルゼンチンは景気沈滞に陥り、今年下半期はほとんどの新興国の経済成長もまた鈍化するだろう」と憂慮している。

キャピタル・エコノミクスは、新興国の国内総生産(GDP)成長率が第1四半期の4.5%から、第2四半期には4.6%に上昇したものの、第3四半期には鈍化するとし、「アジアの経済成長はしっかりしているものの、中南米の鈍化がこれを帳消しにする」と分析した。

ジャクソン氏は中南米最大の経済国ブラジルが特にカギになると予想している。経済の展望自体は明るいが、10月7日の大統領選挙という大きな政治変数が経済に負担となる可能性があると指摘している。

翻訳:水野卓
info@fnnews.jp

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