原油増産見送りの理由、「供給過剰の懸念」

原油増産見送りの理由、「供給過剰の懸念」

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど主要非加盟産油国が原油増産の見送りを決定した理由は、2014年のような供給過剰の再発を懸念したからだと、ウォールストリート・ジャーナルが25日報じた。

先週末、アルジェリアで開かれたOPEC加盟国とロシアなどの比加盟国の共同閣僚監視委員会(JMMC)に先立ち、OPECの盟主であるサウジアラビアと世界最大の産油国の一つであるロシアは増産を強く示唆したが、委員会では「市場が必要とする場合に増産する」と見送りを決定した。

市場ではトランプ米大統領が増産することを強く圧迫しており、これに屈服したサウジアラビアが増産に導くことを期待したが、サウジアラビアは産油国を説得するのに失敗。その影響で国際原油価格は1バレル80ドルを突破し、4年ぶりの高値を記録中だ。

11月4日からイランに対する全面的な石油輸出禁止措置を発動する米国が増産を強く要求しているにもかかわらず、このような結論になった理由は、来年の石油需要に対するOPEC事務局の報告が決定的だった。

OPEC事務局は来年上半期に世界の石油需要が生産量を下回ると予想した。レポートによると、石油需要量は8月の原油生産量より一日60万バレルも少なくなるという。国際エネルギー機関(IEA)の見通しも供給過剰を予想し、「来年上半期の石油需要量は現在より一日10万バレル低くなる」と伝えた。

共同閣僚監視委員会の会議に参加した関係者によると、OPEC事務局はこのような数値をもとに、各国の代表者に「過度に早く増産に打って出ると、供給過剰が再発する可能性がある」と警告したという。

OPECは2014年、原油価格が100ドルを突破した時、サウジアラビアの主導で増産に乗り出し、原油価格の下落を誘導した。しかし、「原油価格の下限はない」という誤ったシグナルを市場に伝え、原油価格は35ドルまで暴落。世界の石油在庫量は史上最大の水準を記録した。

結局、OPECなどの主要産油国は2016年10月に原油の減産を決意した。OPECは「その後供給過剰が徐々に解消され、今年4月になってようやく、石油市場の需給がバランスを成した」と判断している。

ウォールストリート・ジャーナルは今回の増産見送りの理由について、「イラン経済制裁に伴う石油供給不足分を補うために増産に乗り出す場合、かろうじて落ち着きを取り戻した市場のバランスを再び崩すかもしれないという懸念からだ」と分析した。

info@fnnews.jp

Copyright © The financial news japan. All rights reserved.
ファイナンシャルニュースジャパン

関連記事

ピックアップ記事

  1. 韓国政府が今年6月まで仮想通貨取引を集中的に取り締まる。韓国金融委員会は仮想通貨の出金モニタリング…
  2. 写真は総理官邸ホームページから 米国のジョー・バイデン大統領は今月16日に米国で開かれる、日本の菅…
  3. 主要産油国が新型コロナウイルス感染症の世界的な流行解消と大々的な景気反騰に備え、今後3ヶ月の間に原…
  4. ―韓国疾病庁、予定より3ヶ月前倒しで実用化―丁世均首相「海外でも使える様に推進」 韓国版のブロック…
  5. 「美容大国」である韓国独自の特殊化粧品技術とビューティー商品を日本に紹介している株式会社TEISH…

おすすめ記事

  1. (写真はイメージ) −北朝鮮「2段目ロケットの異常により発射体が黄海に墜落」認める −海外メディ…
  2. 韓国語は趣味で勉強する方が多いことから、マイペースで独学する方が多いです。しかし、韓国語は発音から言…
  3. 高麗人参は世界的な名声を誇る。高麗人参は様々な国や多様な人種から代表的な健康食品であるという評価を得…
  4. (写真はドラマ「愛の不時着」のポスター) ドラマ「愛の不時着」で有名な作家パク・ジウン氏が「愛の不時…
  5. −伊メディア「韓国、母たちのストライキ」 −低出産の原因として「男女の葛藤」を上げる イタリアのある…
ページ上部へ戻る
Translate »