IMF総裁「危機拡大時には新興国から最大1000億ドル流出」

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事/ WIKIMEDIA COMMONSより

IMF総裁「危機拡大時には新興国から最大1000億ドル流出」

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は1日、世界経済の成長展望が暗くなったとし、「危機が拡大した場合には中国を除く新興市場から、最大1000億ドル(約11兆4000億円)の資金が流出する可能性もある」と憂慮した。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ラガルド専務理事はこの日、米国ワシントンで行った演説で「今年7月に本年及び来年の世界経済の成長率をそれぞれ3.9%と予測した」としながら、「その様な展望がそれ以降やや暗くなっている」と述べた。

続けて「6ヶ月前には水平線上の”危機の雲”を指摘していたが、現在その様な危機の一部が現実化し始めている」と、「世界経済の天候が変わり始め、大半の国家で”より大きな繁栄”という約束を達成する事が、より難しくなっている」と指摘した。

ラガルド専務理事は、現在中国などの主要貿易相手国と貿易摩擦を引き起こしている米国に宛てたかの様に「核心問題は、レトリックが実質的な貿易障壁だという新たな現実に変化しつつある事だ」と述べた。

また「この事が不確実性を増しながら、単に貿易のみならず投資と生産を阻害している」と伝えた。

ラガルド専務理事は、「私達は現在まで広範囲の金融危機拡散を確かに目撃してはいないものの、状況が急激に変わる事もある」とし、「現在の貿易紛争がより激化すれば、新興国や開発途上国の経済に広範囲に渡る衝撃をもたらす可能性もある」と憂慮している。また既に貿易戦争が金利引き上げや米ドル高とともに、一部新興国に影響を及ぼし始めていると指摘した。

また、「危機が拡大する場合には新興国から資本流出が起きる事もあるとみており、IMFのエコノミストらが資本流出の規模を最大で1000億ドルと推定した」と語った。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、ここ数年の間に年平均で2400億ドルの資金が流入した事を考慮すると、この様な流出規模は劇的な転換点になるだろうと伝えている。

ラガルド専務理事は、具体的な国家名は明かさずに、現在の貿易紛争の緩和と解決、世界貿易機構(WTO)改革を含んだグローバル貿易システムに対する「スマート」な規則設定のための作業に着手する事などを求めた。

続けて「規則を強化する事が当面の挑戦」としながら、「国家の補助金により歪められた影響についての検討、優越的な地位の乱用防止、知的財産権保護強化などがここに含まれる」と説明した。

翻訳:水野卓
info@fnnews.jp

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