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マスクが夢見た「ロボタクシー」がついにデビュー、完全自動運転は実現するのか?

約10年前から「人が車を運転しちゃいけない」と言い続けてきたイーロン・マスク(テスラCEO)が、現地時間22日、米テキサス州オースティンでついに自動運転タクシーのサービスを披露した。ただ、テスラが正式に開始した「ロボタクシー」は、まだ限られた区域でしか走れず、運転手の代わりに安全要員を同乗させていた。

テスラはSNS「X(旧Twitter)」で「今日午後からオースティンでロボタクシーサービスを始める。乗客は一律4.2ドル(約580円)を払う」と発表。マスクは「これは10年にわたる努力の結晶だ」と自信を見せた。AI半導体もソフトウェアチームも社内で一から作ったそうで、「彼らがいなければロボタクシーは実現できなかった」とも語った。

この日、テスラのSUV「モデルY」が無人運転している様子が、州議会議事堂近くで目撃された。

サービス開始に先立ち、テスラはインフルエンサーたちにロボタクシーの試乗券を配布。モデルYを10~20台投入した。

マスクは過去に「人間の運転は危険だから、そのうち政府が禁止するようになる」と何度も発言。2015年には「2018年までに完全自動運転が可能になる」と約束し、2018年にも「あと3~6か月で実現する」と豪語したが、いまだにその約束は果たしていない。現在のテスラ車に搭載されたFSD(フルセルフドライビング)は、国際基準でレベル2にすぎない。

昨年、マスクは「次のイベントは『モデル3』以来、最も重要になる」と断言。10月には、ハンドルもペダルもない2人乗りのロボタクシー専用車「サイバーカブ(Cybercab)」を披露し、2027年までに量産すると宣言した。

でも今回投入されたのは「サイバーカブ」じゃなく、改造したモデルYだった。車両は混雑を避け、指定された市内区域でのみ走った。

CNBCによると、テスラのロボタクシーは特定条件下で人間なしでも運転できる「レベル4」相当の性能を示したという。これは、グーグル系のウェイモ(Waymo)がすでに提供しているサービスと同じレベル。ただし、ウェイモとは違ってテスラ車には助手席に安全要員が同乗していた。

現在、ウェイモはサンフランシスコ、ロサンゼルス、シリコンバレー、フェニックスでサービスを展開中。来年にはワシントンD.C.にも進出予定で、すでに累計乗車数は1000万回、週25万件の有料運行を記録している。

アマゾン傘下のZoox(ズークス)も、サンフランシスコとラスベガスで限定運行を始め、正式サービスに向けて準備を進めている。

マスクは今年4月の決算説明会で「ロボタクシーの規模を一気に拡大する」と宣言した。

ただ、カーネギーメロン大学のフィリップ・ㅌクープマン教授は「この業界が本格的に成熟するには数年、あるいは数十年かかるかもしれない」と指摘している。しかも、テキサス州のグレッグ・アボット知事は、自動運転車に州の許可を義務づける法律に署名したばかり。今後は地域ごとの規制がロボタクシーの拡大に影響を与える可能性もある。

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