中国地方政府がデフォルト危機? 隠された負債だけで650兆円

中国地方政府がデフォルト危機? 隠された負債だけで650兆円
隠された中国の地方政府の負債が昨年、40兆元(約650兆円)に推定された。経済成長が鈍化している米国との貿易戦争により中国の製造産業への打撃が可視化されている最中で、地方政府のデフォルト(債務不履行)危機がさらに大きくなっている。
米格付け会社S&Pが15日に発表した報告書によると、中国地方政府傘下の資金調達会社である融資平台(LGFV)の負債を30~40兆元に推算された。同負債額は中国の国内総生産(GDP)の60%に達する水準で、報告書は、「巨大な信用リスクの一部」と憂慮した。
LGFVは中国の地方政府が資金調達のために設立した資金調達会社。LGFVが発行した債券は、貸借対照表上にも表れず正確な規模が把握できない。中国の地方政府はこれまで債券発行が法律で禁止されており、LGFVを債券発行の主体にして資金を調達してきた。調達した資金は、地方政府の経済成長の核心動力であるインフラ投資などに投入された。最近になって地方政府の債券発行が許可されたものの、地方政府はまだLGFVを活用している。
報告書は、「莫大な負債が地方政府のデフォルトにつながる可能性があり、特に中国経済が減速する状況では、脆弱な県や市のデフォルトが懸念される」と分析した。