高市早苗首相が3月18日から就任後初の米国訪問に臨む。経済安全保障を軸とした日米連携強化が主目的とされてきたが、直前の中東情勢の急変により訪米の意味合いは大きく変質した。
米国とイスラエルによるイラン攻撃を契機に、ホルムズ海峡の安全確保を巡る国際対応が焦点に浮上。トランプ大統領は同盟国に対し艦船防衛などの協力を求めたが、多くの国が慎重姿勢を維持している。こうした中でトランプ氏は「支援は不要」とSNSで発信し、同盟国への不信感をあらわにした。
高市首相は各国首脳に先駆けてトランプ氏と直接対面する見通しで、緊張をはらむ初会談となる可能性が高い。
政府内では、自衛隊派遣の是非を巡る検討が進む。機雷除去や船舶防護、情報収集など複数の選択肢が俎上に載るが、法的制約が大きな壁となる。国会審議でも首相は「法的に可能な範囲で検討」との立場にとどめ、具体的な踏み込みは避けている。
過去の対応を振り返ると、日本は1991年の湾岸戦争後に掃海艇を派遣し、2001年にはインド洋で給油活動を実施した。ただ、いずれも直接的な戦闘行為を伴わない後方支援に限定されてきた経緯がある。
有識者の間でも慎重論が目立つ。宮家邦彦氏は、米主導の有志連合構想自体の実現性に疑問を呈し、現段階での参加表明は時期尚早と指摘。情勢見極めの必要性を強調する。
一方で、条件付き協力論も浮上する。田村重信氏は、停戦や戦闘終結を前提にした限定的関与を示すことで、日本側の主導権を確保できるとの見方を示す。
今回の首脳会談は、単なる同盟確認にとどまらず、日本の安全保障政策の現実的な限界と選択肢を突きつける場となる。中東情勢の不透明さが増す中で、高市首相の対米交渉力が厳しく問われる局面に入った。












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