韓国サムスン電子が7日発表した2026年1〜3月期の連結決算(速報値)は、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比855%増の57兆2000億ウォン(約6兆4000億円)となった。四半期ベースで50兆ウォンの大台を突破するのは韓国企業として初。売上高も前年同期比68%増の133兆ウォンと、過去最高を大幅に更新した。市場予想(38兆ウォン前後)を遥かに上回る「驚愕の決算(ポジティブ・サプライズ)」となった。
■ メモリ価格「1年で10倍」の異常事態
歴史的な好決算の主因は、利益の9割以上を稼ぎ出した半導体(DS)部門にある。生成AI(人工知能)市場の爆発的な拡大に伴い、AI向け高帯域幅メモリ(HBM)に生産能力が集中。その結果、汎用DRAMの供給不足を招く「バルーン効果」が発生し、価格は1年前の10倍以上にまで跳ね上がった。
さらに、次世代規格「HBM4(第6世代)」の世界初となる量産・供給を開始したことも大きい。主要なビッグテック各社から「サムスンの技術力が完全復活した」との評価を得ており、長期供給契約の獲得が相次いでいる。
証券界では、今回の実績を一時的なブームではなく、新たな基準(ニューノーマル)への移行と捉える見方が強い。未来アセット証券のキム・ヨンゴン研究員は「サムスンは今、3年以上の長期契約が主流となる新時代に入った」と分析する。
営業利益だけで既に昨年1年間の実績(約43.6兆ウォン)を四半期で塗り替えた形だ。スマートフォンや家電を担うDX部門も、AI機能を搭載した新型モデルの好調により競争力を維持しており、全社一丸となって「最強の四半期」を作り上げた。
サムスンの独走は、半導体製造装置や材料を手掛ける日本企業にとっても大きな商機となる一方、次世代メモリ開発を急ぐ日本連合や米マイクロン・テクノロジーにとっては、再び引き離される脅威となる。11.7Gbpsという驚異的なスピードを実現したHBM4の顧客認証において、サムスンが業界で最も先行しているとの観測もあり、AI半導体市場の勢力図が塗り替えられようとしている。












Leave a Reply