接点探す米中…中国副首相訪米秒読み段階

接点探す米中…中国副首相訪米秒読み段階
-首脳会談の事前調整兼ね訪問
米国と中国が高位級チャンネルを本格的に稼働させ、貿易交渉の接点を見出そうとしている。米中貿易交渉を主導する、スティーブン・ムニューシン米国財務部長官と劉鶴中国副総理が電話会談をしたのに続き、劉鶴副総理の訪米も秒読み段階に入った。
劉鶴副総理は来月1日、待ち望まれる米中首脳会談を念頭に、両国間の貿易摩擦解消を目的とした交渉のために米国を訪問するだろうと、両国の貿易消息筋の言葉として、サウス・チャイナ・モーニング・ポストが13日報じた。
外交消息筋は、劉鶴副総理が両首脳間の会談を準備するための事前作業の一環として、ワシントンを訪問する可能性があると分析した。ただし、最終的な日程については決まっていないと伝えられている。
習近平中国国家主席とトランプ米大統領は先週の電話会談で、今月末にアルゼンチンで開かれる主要20ヶ国(G20)首脳会議で両国間の貿易摩擦解消のため会談する場を設けることに合意した。劉鶴副総理の訪米は、合意に基づいて、事前に調整作業を行うためとみられる。
劉鶴副総理の訪米に先だち、両国高位級間で貿易交渉の接点を見出すための接触も盛んになっていると伝えられている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米中貿易交渉に関与する高位級官僚、ムニューシン財務部長官と劉鶴副総理が先月9日、電話会談を持った。
両国の高位級チャンネルが、首脳会談の議題調整のため慌しく動く中、中国の事前譲歩案提出の可否が注目を集めている。一部では、中国が首脳会談前に貿易摩擦解消のための交渉案を前もって提出し、両国間の貿易戦争を終わらせるための合意を引き出す可能性もあるとみている。
しかし最近の両国チャンネル間の疎通において、米国側は中国がG20前に貿易摩擦解消のための中国側の具体的な案を出す事を要求していたものの、中国側は前もって公式な提案を出す事は交渉力を弱めると憂慮し、交渉案提出をためらったと、ウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。
中国との交渉の対象と譲歩の幅を巡っては、米国内の反発も激しくなると伝えられている。米国家経済委員会(NSC)は農業関税、技術移転、サイバー安保、知的財産権などで、どのような提案を受け入れられるのか確認中だ。米国内の対中強硬派は、米国がこれまでの関税賦課政策をより全面に打ち立て、中国から必要な譲歩を引き出さなければならないと主張している。
翻訳:水野卓