南北、非武装地帯内の監視所撤去を相互検証…「分断の歴史で画期的な事件」

南北、非武装地帯内の監視所撤去を相互検証…「分断の歴史で画期的な事件」
「9・19南北軍事合意」の象徴である、非武装地帯内の監視所(GP)の試験的撤去と関連し、韓国と北朝鮮は12日、最後の作業となる現場検証を行った。両国の軍事当局は軍事的緊張緩和や軍事合意の履行のため、それぞれ11カ所の監視所を撤去することに合意し、すべての作業が同日の相互検証で終わった。
今回の現場検証では南北軍事当局からそれぞれ7人の検証班が参加し、相手側の監視所から▲全ての火器と装備、兵力を撤収したのか、▲監視所や銃眼などの地上施設の撤去が完了されたのか、▲地下連結通路および入口遮断壁など地下施設の埋没・破壊が完全に行ったのかなどを確認した。
このような徹底的な検証を行う理由は監視所の再活用を防ぐため。監視所の試験的撤去作業が行われる間にも韓国の一部では、「有事の際に北朝鮮が監視所を再建して我々に銃を向けるはず」との悲観的な見方が出るなど、安保について懸念する声もあった。
同日午前、韓国軍は10日間に渡って作った11の臨時通路を利用し、午前9時3分頃に軍事境界線(MDL)を通過した。韓国軍は「黄色の旗」が設置されている地点で北朝鮮側の案内要員に合流し北側の監視所に移動、検証作業を行った。
午後2時には北朝鮮側の検証団が韓国側の軍事境界線を越え検証を行った。検証団は検証を終えた午後4時53分頃、軍事境界線を通過し北側に復帰した。
韓国の文在寅大統領は、国家安全保障会議(NSC)が開かれる国家危機管理センターを訪れ、監視所の試験的撤去の検証作業の様子を映像で見守った。文大統領は「南北が対立していたDMZの中に小道を作って往来し、互いに警戒していた監視所を撤収して、透明性を持たせた検証を行うのは、かつては想像すらできなかったこと」と評価し「それだけでも65年の南北分断史では画期的な事件」だと述べた。
韓国国防部関係者は「南北の現役軍人が非武装地帯内に小道を作って軍事境界線を平穏に往来することは分断以降はじめてのことで、南北軍事当局の9・19軍事合意履行への意志をはっきりと見せた」と説明した。また、同関係者は「今回の監視所相互検証現場は朝鮮半島の軍事的緊張緩和と信頼構築のための道標になる」と加えた。
翻訳:尹怡景