世界中で仮想通貨制度圏化への動き… 仮想通貨取引3位の韓国は?

世界中で仮想通貨制度圏化への動き… 仮想通貨取引3位の韓国は?

-香港・フランス・シンガポールによる熾烈な主導権争い
-香港…デジタル資産の金融ハブへ
-フランス・スイス・シンガポール・モルタ…仮想通貨市場を手中に収めるための総攻勢
-韓国…仮想通貨ファンドの取引禁止、ジニックスは廃業手続き

デジタルアセット時代を準備しているのは米国や日本だけではない。アジアでは香港、ヨーロッパではフランスがデジタルアセット政策に向け積極的に動いている他、仮想通貨公開(ICO)の聖地として有名なマルタやスイス、シンガポールなどもデジタルアセット時代をリードする国家に生まれ変わりつつある。

関連業界によると、香港の証券先物事務監察委員会(SFC)は、クリプトファンドの運営会社にライセンスを発給すると発表した。クリプトファンドを制度圏に引き入れ管理する思惑だ。

■香港、仮想通貨ファンドのライセンスを発給
香港は、デジタルアセット分野で最も脚光を浴びているクリプト系ヘッジファンドに注目している。ファンドなら簡単に資金を集め市場を拡大させることができる。世界中のファンドマネージャー達が利用する金融ポータルサイト「インベスティングドットコム(Investing.com)」では既に、仮想通貨を株式・原資材・外国為替・債券などと同等に取り扱っている。

今後デジタルアセットが普及すれば、香港はデジタル資産の金融ハブにもなり得るというのが専門家の分析だ。

その一方、チェーンパートナーズリサーチセンターはレポートを通し、「韓国のウォンは一時世界の仮想通貨取引の37%を占めており、当時ブルームバーグをはじめ海外のマスコミは韓国を‟クリプト金融におけるウォール街”と表現した。しかし金融当局の介入以降ウォン取引は5~6%に減少し、その間に韓国が手にしていた地位は他国に渡ってしまった」と指摘した。

仮想通貨取引所のジニックスが披露したクリプトファンドについて不法の烙印を押した韓国政府。政府の圧力によりジニックスはクリプトファンドの導入を白紙に戻し、廃業手続きを行っている最中だ。香港では可能なことが韓国では認められない。

■仏「ICOを行うのであれば金融安全委員会の認証取得を」
フランスはICOを積極的に制度圏に引き入れている。フランス政府は9月、ICOを許容する内容を盛り込んだ「企業の成長・変革のための行動計画(PACTE)」法案を承認した。新法では中小企業の成長のため規制を大幅に緩和する内容が盛り込まれている。

注目はICOを許容するという部分だ。新法を通してICOで資金調達を行う法人が、フランス金融市場庁(AMF)の認証を受けることになった。認証を取得するためには、プロジェクトビジョンを記載した白書など詳細な情報を提出しなければならない。

これについてチェ・ジョング金融委員長は今年10月の国政監査で「フランスのICO合法化推進は金融庁の登録および消費者保護義務を前提とするものだ。極めて制限的で、フランスの仮想通貨やブロックチェーン企業の海外流出を招くという批判もある」と評価した。しかし既に一部の韓国企業はフランスでの法人設立を準備している段階だ。フランスの仮想通貨規制TF長を務めるジャン=ピエール・ランダウ元フランス銀行長は「不確実性は承知の上だが、仮想通貨に対する情熱は優れた技術を出現させ市場の活性化にも繋がる可能性がある。今こそ仮想通貨を受け入れなければいけない」と語った。

■ICO天国「スイス-シンガポール」、仮想通貨の新聖地「マルタ」
香港やフランスのほかスイスやマルタ、シンガポールなどもデジタルアセット先導国になるべく準備を進めている。

スイスのツークは以前より‟ICO天国”と呼ばれている。スイス政府は2013年、「仮想通貨のハブ国家」を掲げツークを‟クリプロバレー”にしようと動いてきた。ツークは明確な指針と入居企業に対する税金減免政策に則って複数の企業を引き入れた。世界的なブロックチェーンプロジェクトに挙げられるイーサリアム財団や、韓国初のICOであるボスコインもスイスでICOを行った。

また、マルタは仮想通貨の新しい聖地として浮上している。マルタは‟ブロクチェーンアイランド”を掲げ、仮想通貨とブロックチェーンに関する法案を作成。今年6月には議会で関連法案が可決され、包括的な規制を確立した世界初の国となった。

その後は世界トップの取引所であるバイナンスがマルタへ移転し、マルタは仮想通貨の取引量で世界一位となった。韓国の仮想通貨取引所デイビッドも、最近マルタ政府から取引所としての認証を受けた。マルタへの進出を計画中だという。

シンガポールは韓国企業のICOが多い国だ。

シンガポールはICOに関する規制や条件が明確で、自由度が高い国として挙げられる。シンガポール金融管理局(MAS)が発表したICOガイドラインによると、仮想通貨は有価証券と見なされ一連の取引や投資はシンガポール当局の規制を遵守することが前提だという。

チェーンパートナーズのピョ・チョルミン代表は「米国や日本、シンガポール、スイス、香港、オーストラリアなどではデジタルアセット事業を育成しており、少なくとも妨害する動きは見られない。韓国政府もデジタルアセットに対する明確なスタンスが必要だ」と強調した。

翻訳者:M.I

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