依然として好調のファーウェイ…途上国での売上が損失を埋める

依然として好調のファーウェイ…途上国での売上が損失を埋める

‐米国を中心とした同盟国の圧力にも途上国で22件の5G契約
‐一帯一路連携・価格競争力でアフリカなどで快進撃続く
‐カナダは「孟副会長事件」での中国による報復憂慮

ファーウェイ創業者の娘である孟副会長拘束事件をきっかけに、グローバル次世代移動通信(5G)設備市場が、先進国と途上国の両巨大市場で再編される模様だ。国家安全保障の脅威を憂慮し、諜報活動についての協定を結んだ「ファイブ・アイズ」を自称する米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの西側5ヶ国をはじめに、ドイツ、フランス、日本などの主要先進国がファーウェイ製品ボイコット戦線を形成した。しかしこの様な経営危機的な局面でも、ファーウェイは途上国を中心に5G関連で22件の契約を締結し、我が道を突き進んでいる。

■途上国では依然として優位
英紙フィナンシャル・タイムズは17日、米国を中心とした同盟国による全方位的な圧力にも関わらず、ファーウェイは最近、相次いで契約締結を成就させたと報じた。

同紙によると、ファーウェイはポルトガルの通信企業アルティス(Altice)やポーランドのティーモバイル(T-Mobile)などと5G関連の契約を結んだ。地中海の国マルタやパプアニューギニアも、これまで使用して来たファーウェイ製品を従来通り使用する事にしている。結果、直近で22件の契約を締結し、先進国市場で直面した危機を、途上国市場で取り戻しているとの分析だ。

ファーウェイは、昨年の年間売上が925億ドル(約10兆4200万円)に達し、歴代最高を記録している。しかし今年に入り、米国が集中的に同盟国と連携して製品購入ボイコット戦線を拡大した事により、来年の売上への影響が懸念されていた。

それでもファーウェイは、製品の価格競争力や市場掌握力、中国政府が推進する一帯一路(陸海上シルクロード構想)と連携した事業構造のおかげで、途上国市場では依然として快進撃を続けている。

アフリカの場合、一帯一路事業との連携を通じた、ファーウェイ製品販売の核心地域に上げられている。ファーウェイは製品を輸出し、アフリカ諸国は中国の銀行券により貸出を受け、その費用に充てるという構造だ。中国が一帯一路を推進する理由は、アフリカ諸国に資金を貸し出せば、該当国家はその資金でファーウェイ製品を購入するという方式に組み込まれるという点。実際に中国の輸出入銀行は今年9月、通信インフラ改善資金としてナイジェリアに3億2800万ドル(約370億円)を貸し出し、ナイジェリアはその資金でファーウェイ製品を購入している。

■報復続く…カナダの不動産や観光に打撃?
5G市場をめぐる競争者らの争いは、長い戦いになると見られる。国家安全保障問題を打ち立てて、孟晩舟ファーウェイ副会長逮捕事件をきっかけに「脱ファーウェイ」の先頭に立った米国に続き、オーストラリアや日本のみならず、ドイツやフランスなどのヨーロッパの主要先進国も制裁に加わった。これら主要先進国市場の5G市場規模は小さくないという点で、ファーウェイが経営の打撃を受けるのは必然と言える。

しかし、ファーウェイの競争相手の供給能力が追い付けるかが、5G市場占有の争いをめぐるポイントになると見られる。

専門家らは、途上国の場合、今のところはファーウェイ製品の購入を増やすと見ている。競争相手に比べて価格が安い上に、サービスも良いためだ。競争相手であるエリクソンやノキアの場合、アフリカに製品を販売してはいるものの、アフターサービス(AS)で立ち遅れている。一方のファーウェイはスタッフを現地に常駐させ、ASにも積極的に対応している。

また急増した売上の中の相当な部分を研究開発に投じ、品質競争力も継続して引き上げている。ファーウェイは全体売上高の15%に達する、年間160億ドルを研究費に投資している。これは、途上国市場を掌握した後、現在のファーウェイ問題が解消されるタイミングに合わせ、先進国市場に再挑戦する可能性があるという事。ファーウェイのある関係者は、「私達は中央アジア、ロシア、アフリカなど、開発途上国国家を攻略した後、先進国市場に進んで行く」と話した。

この様な中、米国の要求により孟副会長を逮捕したカナダには、中国の報復により不動産や観光に打撃を受ける兆候が見え始めている。中国官営メディアのグローバルタイムスは17日、中国人がカナダの不動産購入を避ける可能性があると報じた。主な不動産取次業者が、カナダ投資のプロモーションイベントを中止しており、一部投資家らも購入計画を先延ばしにしていると、同紙は伝えている。

カナダの現地メディアは、中国がカナダ観光を制限する可能性があると憂慮している。CNNは、「米国が中国を刺激したにも関わらず、カナダがとんだとばっちりを受けている」と指摘した。

翻訳:水野卓

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