世界銀行、今年経済成長率を2.9%に下方修正… 「暗くなる空」

世界銀行、今年経済成長率を2.9%に下方修正… 「暗くなる空」
世界銀行は今年初の世界経済見通しを発表し、2019年の世界GDP成長率を従来の見通しから0.1%ポイント下げた2.9%と下方修正した。世銀は「世界経済が勢いを失った」とし、国際経済全般の成長が鈍化し、特に新興国市場の被害が深刻なものとなると憂慮した。
毎年1月と6月に世界経済見通し報告書を発表する世銀は8日(現地時間)に発表した同報告書に「暗くなる空」というサブタイトルをつけた。報告書によると、昨年3.1%成長した世界経済は、今年2.9%成長にとどまった後、2020〜2021年には2.8%の成長とさらに減速するという。
世銀は「貿易の緊張がまだ高く、いくつかの新興国市場は金融面で圧迫を受けている」とし、「先進国よりも新興国市場の問題がさらに深刻だ」と指摘した。また、「米国と中国の貿易戦争が世界経済の減速をあおっている。この場合、貿易戦争の副作用は新興国市場に集中し、重大な水準となる」と説明した。
世銀は今年の新興国市場の実質GDP成長率について、昨年6月に発表した数値(4.7%)から0.5%ポイント下げて4.2%と推定した。中国の成長率見通しも従来より0.1%ポイント下方修正し6.2%と予想した。
その一方、先進国の経済は比較的良好な動きを見せると予想した。世銀は先進国の今年GDP成長率として2%を提示し、昨年発表した予測値を維持した。米国とユーロ圏、日本の成長率をそれぞれ2.5%、1.6%、0.9%と予想した。しかし米国の来年成長率については1.7%と推定し、更なる米経済減速を予想していることがわかった。