中国国営企業が史上最大利益…拡大する格差 民間企業は経営悪化

中国国営企業が史上最大利益…拡大する格差 民間企業は経営悪化
貿易戦争の最中にも中国の国営企業が史上最大の実績を収めた。中国の民間企業が貿易戦争の余波で最悪の経営危機を迎えたことは対照的に、国営企業だけが政府の集中的な支援などで恩恵を享受したとの指摘が出ている。
18日、香港紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、中国国有資産監督管理委員会(SASAC)は、中央政府傘下の国営企業の昨年売上高が29兆1000億元(約480兆円)を記録し、前年比10.1%増加したと明らかにした。純利益は15.7%増の1兆2000億元(約20兆円)に達し、売上高と純利益の両方で史上最大を達成した。
しかし、米中貿易戦争の余波で民間企業の経営が昨年、悪化の一途をたどっていたことを挙げながら、今回の国営企業の史上最大実績を批判する意見が出ている。
中国の国営企業は、通信・石油化学・鉄鋼・造船・重工業・航空宇宙などの基幹産業分野で政府の支援のもとに市場を独占している。そのため銀行からの融資も受けやすく、「米中貿易戦争と景気減速の中でも良い実績を収めた」と専門家らは分析している。
その一方、民間企業は内外の不透明な経済環境で今後の見通しが明るくない。一部では「民間企業がデフォルト(債務不履行)に直面している」との意見も出ている。