合意点見出だせない米中…交渉では不満ばかりが行き交う

合意点見出だせない米中…交渉では不満ばかりが行き交う
-中国は実質的な制度改革に消極的
-ライトハイザー代表「進展無し」
米中間の長官級貿易交渉が今月30〜31日に予定される中、両者が合意点を見出だせていない事が分かった。
米国のドナルド・トランプ大統領は今月中旬、中国北京で開かれた次官級交渉で大きな進展があったとの楽観論を繰り広げたが、実際はそうでないとの悲観的な見方もある。
21日、ブルームバーグやニューヨーク・タイムズなどの海外メディアによると、今回の交渉を管理する米国通商担当関係者らは、前回の次位級貿易交渉で、中国の知的財産権盗用、補助金支給などの争点項目について、合意点を見出だせなかったと話した。
米国は、数十年間続く中国の技術移転強要、知的財産権盗用、サイバー窃盗など、政府が関与したとされる、いわゆる「知的財産権収奪」を制度的に改善する事を中国側に求めて来た。
しかし、米国が中国にこの様な不公正慣行の改善を要求すると、中国は米国に対し「証拠を出せ」と、やましい所は無いという立場を取っていると、ブルームバーグは報じている。
中国は米国製品の輸入を増やし、2024年までに対米貿易黒字をゼロに近い水準に下げるという積極的な姿勢を見せてはいるものの、実質的な制度改革には消極的だとも報じられている。
貿易交渉に精通している関係者らは、最近の交渉状況についてやや懐疑的な見方をしている。交渉に参加した関係者によると、米国貿易代表部のジェフリー・ゲリッシュ副代表は、2500億ドル(約27兆4100億円)規模の中国産製品に賦課した関税を正当化する報告書を引用する事にかなりの時間を割き、建設的な論議より両者の不満だけが行き交う場だった事を明らかにした。
この他に、交渉を指揮している米国貿易代表部のロバート・ライトハイザー代表までもが悲観論を打ち明けたと伝えられている。ブルームバーグは議会補佐官の言葉を借りて、「ライトハイザー代表が、前回の次官級貿易交渉で『中国の構造的変化』に関しては進展が無かったと言及した」と報じている。
翻訳:水野卓