「同性愛・不倫は石打ちで死刑」…ブルネイ政府に非難殺到

「同性愛・不倫は石打ちで死刑」…ブルネイ政府に非難殺到
同性愛行為や不倫に対し石打ちによる死刑を科する制度などを盛り込んだブルネイの新しい刑法「シャリーア法(イスラム法)」が施行された。
米CNNなどの海外メディアは最近、ブルネイが国際社会からシャリーア法の廃棄を求められたにも関わらず、イスラムの影響力を強化するために同刑法を導入したと報じた。
ブルネイ政府は去年12月、非イスラム信徒、未成年者、旅行者にも適用される、シャリーア法の実施を予告した。
同法によると、同性間性行為や不倫に対しては命を失われるまで石打ちする投石死刑を実施。また窃盗の場合、初犯は右手の手首を、再犯は左足の足首を切断するとしている。
イスラム国家であるブルネイは2015年からクリスマス行事を禁じており、摘発された場合には懲役5年が科せられる。また酒類販売や宣教活動も禁じられている。
一方、今回のシャリーア法の拡大適用をめぐり国際社会では批判の声が上がっている。国際連合人権委員会は今月1日に声明を発表し、国民の人権を深刻に侵害しかねない過酷な新律法を撤回するようブルネイ政府に求めた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(AI)もブルネイの残酷な死刑制度を直ちに中断するよう声をあげた。
また、米国の俳優ジョージ・クルーニーや英国の歌手エルトン・ジョンなどのスターらも強く反発し、ブルネイ投資庁が所有している米・ロサンゼルスの「ビバリーヒルズ・ホテル」や英ロンドンの「ザ・ドーチェスター」など9つの高級ホテルのボイコットを呼びかけた。
しかしブルネイのハサナル・ボルキア国王兼首相は国際の非難にも「シャリーア法はイスラムの律法を違反した場合に処罰するだけではなく、宗教や理念、国籍を問わず、全ての個人の教育と権利の尊重および保護のためにも必要なものだ」との見解を示している。
翻訳:尹怡景