GoogleとAppleの熾烈な競争、「5G ゲームコンテンツはキャッシュカウ」
GoogleとAppleの熾烈な競争、「5G ゲームコンテンツはキャッシュカウ」
-機器を超越したゲーム総合プラットフォーム競争
-Googleのクラウドゲームサービス「STADIA」
-Appleの月額制サービス「AppleArcade」
GoogleとAppleが第5世代移動通信システム(5G)の商用化を控え、新しいゲームプラットフォームの開発を宣言した。プラットフォームの方向性は異なるが、新しい利益の創出という目的は二社とも共通。5G 時代のコンテンツとしてゲームが急浮上しているなか、GoogleとAppleの主導権争いがゲーム業界にどのような影響を及ぼすのか注目だ。
■Google、ゲームプラットフォームの拡張へ
先月開催されたGDC(世界中のゲーム開発者が集まるカンファレンス)にてGoogleが発表したクラウドゲームサービス「STADIA」。PC、モバイル、コンソールなど機器に関係なく、ユーザーが利用する端末でゲームを楽しめるプラットフォームで、ゲームの設置もいらない。
音楽や動画と同様に、ゲームのストリーミングサービスもあらゆる機器で可能にするというのがGoogleの構想だ。グーグルはSTADIAについて「TV、パソコン、タブレット、携帯電話などどんな端末からでも接続可能なゲームプラットフォーム」と説明した。Google Playで業界に新しい風を吹き込んだGoogleが、ゲーム市場での存在感をさらに高めるための戦略と見られる。
関係者は「北米ではコンソール(据え置き型ゲーム機)市場が大きい。今後は各種ゲーム機やパソコンゲームも、グーグルのプラットフォームに連結され、Googleはますます支配力を強めていくだろう」と分析した。
また自社の動画プラットフォームであるYouTubeとゲームコンテンツを提携させることで、アマゾンを牽制したいのではないかという見方もある。
Googleによると、YouTubeでゲーム動画を鑑賞している途中に「プレイする」を選択すると直ちにゲームプレイを始めることができるという。米国のオンラインゲーム中継サイト「Twich」は、一日に約1500万人が利用する人気ストリーミングサービスで、2014年アマゾンにより買収された。別の関係者は「グーグルはアマゾンのTwichを意識しているか、YouTubeでのゲーム動画鑑賞を推奨している。5G通信に乗じてゲームコンテンツ市場を攻略したいという戦略が窺える」と語った。
■アップルは、サブスクリプション形式の定額サービス
アップルも最近「AppleArcade」を発表した。アプリストアでダウンロードできるゲームのうち、アップルの提供する限定タイトルを月額で楽しめるサブスクリプション形式のサービスだ。
プレイするデバイスが変わっても、セーブ地点から同様にゲームを再開することができる。また、1人が加入すれば最大6人までの家族がゲームを楽しめるのも特徴だ。
ただ、このサービスはアップル社製の機器でしか利用することができない。そのため、AppleArcadeの成功はゲームコンテンツの確保にかかっている。
何れにせよ、グーグルとアップルによる新しいゲームプラットフォームの発売はゲーム業界を大きく揺るがすことになり、ゲーム業界としては機会である同時に危機になるとみられる。
ある関係者は「ゲーム会社の立場としては開発の手間が省けるため、既存のプロセスや流通に変化がもたらされる」としながらも「結果的にグーグルに依存する形となる可能性も。規模の小さいゲーム会社では、高いプラットフォーム手数料が負担になる」と語った。
翻訳者:M.I